加齢とともに、シミやホクロが増えてきたと感じることはありませんか。特にホクロについては注意が必要です。そのホクロは意外にも「がん」の可能性があるからです。ホクロとは何か、皮膚にできる「がん」とどのような関係にあるのか、調べてみました。

●ホクロは「良性腫瘍」、「がん」は「悪性腫瘍」

 赤ちゃんのときにはほとんどみられなかったのに、いつのまにか増えていくホクロ。その発生のメカニズムはご存じでしょうか。

 ホクロは、メラニン色素が多く集まった部分と理解するのがよいでしょう。メラニン色素には、紫外線を吸収する働きがあり、皮膚に均等に分布することで体内の細胞が紫外線にさらされるのを防ぐことができるのです。

 紫外線は人体にとって有害となる電磁波で、健康な皮膚細胞が必要以上に浴び続けることで「がん」になるリスクを伴います。

 ホクロは、医学的に「良性腫瘍」に位置づけられます。「腫瘍」と言われるとびっくりしてしまいますが、体には害を及ぼさないことから良性なのです。その対照とのなるのが「悪性腫瘍」で、「がん」はその最たるものになります。

 ホクロと「がん」は腫瘍としてのつながりがあり、皮膚に発生する「がん」は見た目がホクロによく似ていることから、ホクロだろうと見過ごして、手遅れになってしまうケースがあることを知っておきましょう。

●「がん」にはホクロにはない特徴がある

 ホクロと「がん」、見た目が似ているので見分けることができないかというと、そうではありません。「がん」にはホクロにはない特徴があります。

・短期間での進行
 ホクロは、大きさが大きく変化することはありません。「がん」である場合、「がん」細胞が成長を続けているため、少しずつ黒い点が大きくなっていきます。いつの間にかできるホクロですが、気がついた時点から毎日観察し、一カ月間で大きく変化していたら、「がん」の可能性も。

・ゆがんだカタチ
 ホクロは、小さくても拡大してみるときれいな円形になっています。「がん」である場合、成長のペースで形がゆがみ、円形をしていないことが多い傾向にあります。いびつな形をしているときは、「がん」の可能性あるということです。

・6ミリ以上の大きさ
 ホクロから「がん」を疑う基準に大きさがあります。6ミリ以上の大きさがある場合、注意が必要です。

・色のにじみ
 黒点と皮膚色の境目がにじんでようであれば、「がん」の可能性があるとのことです。また、濃淡があったり、一部まだらになることもあるそうです。

 いずれにしても、「がん」の疑いがある場合、特に上記でも触れましたが短期間での進行が見られたら、特定医に診てもらった方がいいでしょう。

●皮膚の「がん」の特徴とは?

 皮膚の「がん」について、その種類と症状についても紹介しておきます。

・悪性黒色腫(メラノーマ)
 皮膚の表面にホクロのような黒い病変となって現れることから、ホクロに間違えやすい代表的な症例です。最も多く発生するのは60歳代の男性、70歳代の女性で、足の裏、手の平、手足の爪などに主に発生し、中でも足の裏に現れることが多く、気がつきにくい「がん」といえます。主な原因は皮膚に対する繰り返しの刺激や紫外線で、進行が早く転移する可能性も高いのですが、早期発見できれば治療は難しくないとのこと。

・基底細胞がん
 「基底層」といわれる皮膚の一番深い部分に発症します。症例の80パーセントが顔など頭部に集中していることから、紫外線を浴び続けたことが原因と考えられています。50歳以上の高齢者の発症が多い「がん」です。気がつきにくく自覚症状がないため、何気ない人の指摘や鏡などの観察で早期発見できるようにしましょう。

・有棘細胞がん
 皮膚の中間あたりにある有棘層に発症します。見た目が赤いできもの、あるいは潰瘍のようであることがほとんどのようですが、黒くホクロのように見えることもまれにあるとのこと。70歳以上の高齢者、特に男性に多く発症しています。皮膚の表面が盛り上がり、内部が壊死することから、患部がうみ、悪臭を放つのが特徴です。

 加齢とともに増えていくホクロ、自覚症状がないことから、皮膚の「がん」として見逃す確率も高くなります。特に50歳以上で紫外線を多く浴びている環境であるなら、定期的に自分の肌をチェックする習慣をつけ、早期発見する心構えをしておくことが大切です。


<参考サイト>
・国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」
http://ganjoho.jp/public/index.html