アスベストの健康被害を受けながら、労災補償の対象外となっていた男性が国に救済を求めていた裁判で、提訴からわずか3ヵ月で和解が成立しました。

今年6月に訴えを起こしていたのは、大阪府河内長野市にあった建材加工メーカー「東洋石綿」で働いていた坂尾正次さん(83)です。坂尾さんは20年間、仕事中にアスベストの粉じんを浴び、11年前に石綿肺を発症しましたが、症状が労災補償保険法の対象外のため、これまで労災認定を受けられないままでした。坂尾さんの弁護団は、2年前に最高裁が国の責任を認めた泉南地域のアスベスト被害と同じ要件を満たしていると主張していましたが、国は今回、坂尾さんの年金記録と就労証明書だけで和解に応じ、請求どおりの605万円を支払うとしました。弁護団は今回の和解が、他の被害者が声を上げるきっかけになると評価しています。