震度7を2度も観測した熊本地震。4月14日が前震、そして16日が本震と言われ、いずれも最大震度は7だった。熊本県は、住宅や道路など被害総額をおよそ3兆8000億円と試算。解体が必要な家屋は2万8000棟にものぼった。あの日から半年、被災者の生活再建にはまだまだ大きな課題が残っている。

最も被害が大きかった益城町では、全壊・半壊家屋の解体費用については、町に申請し受諾されれば全額補助される。解体作業が進められる一方で、半年前から倒壊したままの家屋も多い。実際の作業では、貴重品や思い出の品が見つかるたびに一旦作業を中断しながら進められるため、解体に3週間かかった住宅もある。住民の中には、自費で解体する人も少なくないという。熊本県は2年かけて解体作業を進める計画だが、解体が終わっているのは9月末時点で、全体の14.6%だけでしかない。

一方で、仮設住宅の建設は建設計画の94%、4052戸が完成した。3889戸が入居し、新たな生活を始めている。とはいえ、住民たちの間にはこれまでと違う環境に戸惑いもある。「不自由です。お店はあるけど品数は少ないし、病院も下まで降りないといけないから。」

そして今でも、7つの市町村の避難所で205人が避難生活を送っている。

■熊本地震から半年、今も残る爪痕

日本三名城のひとつである熊本城は、石垣およそ50箇所が崩落。現在も天守閣などは立ち入れないため、石垣の撤去を優先、全体の復旧作業には、20年ほどかかるとされている。一方、長さ700メートル、幅200メートルに渡って斜面が崩壊し、崩落してしまった南阿蘇の阿蘇大橋。元の場所に復元することができず、下流の位置に架け替えることに…。さらに、線路崩壊や鉄橋の破損など、甚大な被害を受けた南阿蘇鉄道のトロッコ列車。一部復旧したものの、国や県の協力がなければ、鉄道会社単独での全線再開は難しそうだといわれている。膨大な資金が必要な復旧。まだまだ時間がかかりそうだ。

■熊本地震・被害状況

犠牲者数(災害関連死など含む) 110人

避難所での生活者数 205人

全壊・大規模半壊の住宅数 2万4000棟以上

住宅や道路などの被害総額(試算) 約3兆8000億円

熊本地震の発生からこれまでを振り返った14日放送のAbemaTV『AbemaPrime』で、東洋経済オンラインの武政秀明 副編集長は、益城町の人から聞いた話として、「一段落はしたけれども、格差のようなものが出てきていると。今まではとりあえず片付けていくというか、これから再建に向かっていくにあたって、隣の家の崖がくずれちゃって、自分の家を建て直すためには隣の家から直さなくちゃいけないんだけど、隣の家が経済的にそういう状況じゃないと難しい。またメンタル的な部分が今後不安。」と話す。

また経済評論家の川口一晃氏は、「熊本地震では、企業の(工場なども被害にあったが)復興は意外に速く整ったのですが、やはり住んでいる人たちの復興はまだまだ道半ばという印象ですね。」とコメント。スマートニュースの松浦茂樹氏は「大変なことは拡散されやすいんですけど、復興が進んでくるとネットでもなかなか広まりにくい」と指摘し、現地の声に耳を傾け続けることの大切さを訴えた。