16日に行われた新潟県知事選で、共産・社民・自由と野党3党の推薦を受けた米山隆一氏が、自民・公明推薦の対立候補を6万票の差で破った。米山氏は柏崎刈羽原発の再稼働に厳しい姿勢を貫いてきた強硬派である現職・泉田知事の路線を継承しながら、やはり再稼働には慎重な立場を明確にしており、再稼働推進派にとっては大きな脅威だとして注目を集めている。

17日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、元経産省官僚で、原発政策に詳しいNPO法人社会保障経済研究所代表の石川和男氏に話を聞いた。


■県知事の考え方が、原発の再稼働や一時停止に、どれほどの影響力をもつのか?

石川氏「まず止めるっていうことについていうと、(県知事の)権限は何もないです。ただし実際に今止まっています。それを再稼働ということになると、本当は国の権限なんですけれど、そうはいっても、原子力発電所というのはすごく大きな工場なんです。すごく地元に根を張るもの。そして安全協定を結んでいる。この場合、東京電力・新潟県・柏崎市と刈羽村。その間で同意を得ないと『(再稼働は)やりません』という約束事になっている。他の発電所もみんな同じです」


■では、東電は勝手に(再稼働を)できない?

石川氏「法律上はできちゃうんです。でも、そうはいっても地元との約束ごとなので。電力会社っていうのは、ビッグカンパニーですからね。そういう紳士協定っていうのは法律と同じように守るんです。

(なので)事実上、知事さんが『NO』といったら、普通はNOです。再稼働は厳しいです。ただ、今日、米山新知事のコメントをつぶさにみていたら、報道では“(再稼働は)ダメだ”ということばかりが切り取られていると思いますが、『今はだめだ』として、“将来的には…(可能性がなくはない)”“あらゆるものは排除しない”という言い方をしているんです。だから、僕は相当考えて、ものを言っている知事さんだなと思いますね」

番組の月曜レギュラーで、ジャーナリストの堀潤氏は「議会の大多数は自民党なので、これから議会と対立しなくちゃいけない。でもいきなり対決姿勢になると(原発以外のことも含めて)何もすすみませんから、これから様子をみながらアクセルを踏むんじゃないかな」


■今のままでは安全性よりも「安心」面に不安

堀氏「3.11以降、やり方が下手くそだなと思いますよ。東京電力の皆さんにきくと、柏崎刈羽原発の安全性そのものについては絶対の自信を持っています。でも動かせないでしょ? それはなぜかというと、何かトラブルがあったときに、どうやったら避難経路が確保できるのかなとか含めて、情報公開が後手後手にまわっている。原発そのものの安全性じゃなくて、その“周辺”のことに対して信頼がおけない」


石川氏「安全の問題は終わってるんですよ。安心の問題です。安全というのは客観的なデータに基づくものですけど、安心は感情面なので、とうぶん時間かかりますよ。県知事じゃなくて中央政府がね。安倍首相、前面に出るといって出ないでしょ。きちんとやる、やらないを総理官邸が決めないと、いつまでもこのままです」


■そもそも、どうしてこんなに原発問題が取りざたされるのか

最後に、番組月曜MCの村本大輔(ウーマンラッシュアワー)が、「そもそもどうしてそこまで原発にこだわるのか」と質問すると、石川氏は「ガスと石油はエネルギーコストが高いんです。オイルショックを経験しているので、国家の安全保障からすると、化石燃料を輸入するのは危ないことなんです。その危機管理という点においても大事。コストと安全保障なんです」と説明。


これを受けて、村本がさらに「日本の原発は安心・安全とかいうでしょう? それなのに何故原発がこれほどまでに”なくせなくせ”と議論になるのか」と素朴な疑問をぶつけると、堀氏は「管理者の統治能力がないからです。事故が長引いても責任の所在がうやむやになったまま進んでいる。技術屋さんはかわいそうだと思いますよ」と話した。