2021年度新設予定の和歌山県立医科大学薬学部を和歌山市役所に近い市立伏虎中学校跡地に誘致する条例案について、和歌山市議会は29日、賛成多数で可決した。議会ではこれまで議論が紛糾し、条例案は23日の総務委員会で否決されていた。県は可決を受け「計画を前進する条件が整った」と喜んでいる。

 市は本年度で閉校する伏虎中学校の跡地に、市民会館の移転を予定するとともに、県立医大の薬学部の誘致に取り組んでいたが、市議会で市民会館への影響や手続き面などについて、反対意見が出ていた。

 土地の無償貸与は市長権限で可能だが、市は「県に安心して事業を進めてもらうために市議会の意思決定が必要」などとして、9月議会に条例案を提案していた。

 条例案は国立大学法人や公立大学法人、学校法人が跡地のうち上限7千平方メートルの使用を申し出て、市長が認めれば無償で貸す内容。付託された総務委員会では、契約の相手方を県立医大と明記していないことなどが問題になった。法規の一般性確保が理由だが「これでは県に対する担保にならない」「薬学部を選びたい思いはあっても、条文に記載されていない状況では判断が難しい」「ほかの大学法人などから申し出があった場合、恣意(しい)的に排除できないし、さまざまな手続きが必要になる」などと批判があり、否決された。