和歌山県田辺市内で、昔ながらの手法で紀州備長炭を焼く製炭者が増え、それに対応して比較的小さい炭窯への改築も進んでいる。県木炭協同組合の原正昭理事長(45)は「窯が小さければ温度管理がしやすく、窯の中に入らずに作業できるため、効率と品質が良くなる。さらに窯も長持ちする」と推奨している。

 原理事長らが薦めるのは、原木20〜25俵(1俵=約15キロ)が入る規模の窯。奥行き2・8メートルほどで「コロバシ」や「立て又」と呼ばれる道具で窯に入らず、原木を並べる手法で炭を焼く。窯出し後、すぐに次の製炭作業に掛かれるため、月3、4回のサイクルで焼ける。

 一時主流だった40〜50俵窯だと、人が窯に入って原木を並べるため、窯を冷ましたり温度を上げたりするのに日数がかかって月2回のサイクルも難しくなることがある。

 田辺市内では夏以降、数人の製炭者が炭窯の改築に取り組んでいる。そのうちの一人、山本久子さん(47)=田辺市稲成町=は、炭を焼き始めて11年目。原理事長の下で昔ながらの焼き方を学び、窯を使いやすくするため煙道などを改築している。