和歌山県みなべ町清川の里山の環境や暮らしの現状について、住民と研究者が意見を交換するワークショップが5日、清川公民館であった。国連大学サステイナビリティ高等研究所(東京都)が主催し、7月から8月にかけて地域住民100人を対象に実施したアンケートを基に議論。「歩くだけでも楽しいし、人との触れ合いが魅力」「外の人も巻き込むことが大事」などの意見が出た。今後の地域づくりに生かしていく。

 清川の住民19人と国連大学の研究者5人が参加。2グループに分かれて、20項目からなるアンケート結果について議論した。

 それぞれのグループを代表して、いずれも農家の寺谷雄二さん(36)と小田修さん(42)が議論経過を発表。寺谷さんは、土地利用に関して、植林の放置など山をきちんと管理していないために、極端に増水するなど負の部分が出ているという意見があったことや、田やパイロットの梅畑など共有資源の管理ができているが、地域の知識や文化の記録はできておらず、必要性があるとの思いを語った。

 小田さんは、地域のつながりは強いが、移住者をもっとサポートする仕組みづくりが必要という意見があったと報告。また、収入源の多様さに関して「山間部なので農業では梅、米、野菜を作るぐらいで、仕事は非常に限られている。研究者から民泊はどうかと意見があったが、ここにどんな魅力があるのか分からないし、魅力が分からないままやって客が来てくれるのか壁を感じる」と話した。

 これに対し、地域外から移住してきた製炭者の新田弘さん(45)は「自然の中での仕事は充実しているし、歩いているだけでも魅力がある。魅力が何かと考えなくても、1泊2日で地域を回るだけで魅力になると思う」。同研究所の市川薫さん(37)も「景色やものを見るだけでなく、土地の人とつながり、話を聞き、触れ合うことが外から来る人には魅力。清川は人のつながりが強く、互いに高め合っている」と共感を示した。