和歌山県田辺市木守(大塔地域)で18日、地理や地質などの専門家が風穴(ふうけつ)を調査した。専門家による現地調査は、昨年12月に大塔村商工会青年部らでつくるグループが風穴を「再発見」してから初めてで、専門家は「全国的に見ても風が強く、第一級」と太鼓判。市の天然記念物指定を目指すことなどを提案した。

 風穴は山腹などにあって夏季に冷たい風を吹き出す洞穴のこと。砂防フロンティア整備推進機構(東京都)が国土交通省からの受託業務として和歌山、奈良の両県で取り組んでいる大規模な土砂災害の歴史についての調査の一環。災害で地下に隙間ができると風穴ができやすいため、県内の風穴と過去の土砂災害との関係性を調べようと17〜19日の日程で、田辺市や白浜町、新宮市を訪れた。

 この日は、専門家4人が地域住民の案内で大塔地域を巡り、地形や風穴の状況について調べた。

 風穴では温度と風速などを調査。現地の気温が午後1時ごろに21・6度だったのに対し、風穴の中は13・8度と低かった。穴の中から外へと吹く風の速さを調べたところ、秒速1・2〜1・5メートルだった。

 推進機構の井上公夫技師長(68)は「ここは、過去に非常に大規模な深層崩壊があった場所。今後、それがいつ起きたのかというのを突き止めたい」と話した。

 「日本の風穴」の編著者である駒沢大学の清水長正講師(61)は「全国的に見ても風が強い方。この時季で風速1・5メートルというのは相当なもので、夏には軽く2メートルいくだろう。風については第一級。価値あるものだとして、田辺市の天然記念物として認定してもらえれば」と提案。12月初めごろから、清水講師が大塔村商工会に提供した機材を風穴などに設置し、長期間、温度の変化を調べることになった。