心とカラダの活動のすべてを牛耳っている脳。司令塔である脳が疲れることで、やる気が起きず、疲れやすい、慢性疲労のような状態が続く。

自律神経研究の第一人者・順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生は、脳疲れの原因は、ほとんどが怒りだと分析。

「怒りは激怒だけではありません。イライラやむかつき、嫉妬や後悔…。これらはすべて小さな怒りなのです」(小林先生)

言うなれば、私たちは一日の大半を怒りの連続で過ごしているようなもの。

「怒りは過緊張状態。交感神経が優位になり、血管は収縮し血液の循環が悪くなる。その結果、脳への血流も滞り、酸素と栄養の不足で脳が疲れてしまうのです。脳が疲れれば自律神経も常に乱れるという悪循環に陥ります」

怒りと上手に付き合うのが、脳疲れ予防に効果的だと小林先生。

「どんな状況で、何に対して怒っているのか、原因は何か。これを怒りながらでも考えてみるんです。毎回、怒りに冷静に向き合うクセをつけていくと、交感神経が跳ね上がることを抑えられ、脳への負担が減っていきますよ」

怒りとの上手な付き合い方。たとえば、ため息は“笑顔”でつくと神経バランスが整い、唾液も分泌されるといいます。

「大きなため息をつくと、その後に入れる空気が自然と多くなるので、体内の酸素が増え、自律神経が安定しやすくなります。その時、笑顔を作ること。表情を変えると副交感神経が作用して、血の流れが通常に戻り、緊張で乾いた口内も潤います」

あるいは次のようなアイテムを試してみて!

■『聞くだけで自律神経が整うCDブック 心と体のしつこい不調を改善編』小林弘幸 著・作曲 アスコム ¥1,200
大ベストセラー『聞くだけで自律神経が整うCDブック』の第3弾。今回は小林弘幸先生自らが作曲。いわゆるヒーリング音楽とは一線を画し、自律神経の乱れをメロディで整える方法を、医学的見地から音源化。聞くだけでイライラが収まるのはもちろん、仕事や勉強に取り組む際のやる気や集中力にも効果大。小林先生自身も、仕事を始める前はこのCDを聞いて頭をクリアにさせているそう。

■『1日5分「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート』永井研一 著 クロスメディア・パブリッシング(インプレス) ¥1,280
人を妬んだり、自己否定してしまう思考回路を卒業するための実践ノート作り。仕事、勉強、ダイエットなど、1万2000人の“行動と結果”から、自分を脱皮させる習慣の作り方をマスター。自己肯定感を育て、振り返る力を高めると、様々な習慣が無理なく定着していくことがよくわかる。自分の中に眠るエネルギーに気づき自己肯定感が育まれれば、意味もなく他人にイライラしたり、嫉妬心が湧いてくることも減ってくるもの。

■『心やすらぐ国宝仏像なぞり描き』田中ひろみ 著 池田書店 ¥1,000
ここ数年“大人のぬり絵”が大人気なのは、描くことで精神が落ち着くことをみんなが実感したから。こちらは、なぞるだけで簡単に仏像の絵が描ける本。仏教では、仏像の絵を写すことを「写仏」といい、お経を写す「写経」と同様に心を整える修行として行われているそう。でも、修行などと難しく考えなくても、ただ無心になって仏様の姿をなぞり描きしているだけで、心のスッキリ効果を誰もが体感できるはず。


※『anan』2016年9月28日号より。写真・多田 寛(DOUBLE ONE) スタイリスト・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・メイ・パクディ イラスト・小山 健 文・板倉ミキコ