訪れる人の視点や時間の過ごし方によって、同じ土地でも印象が変わるのが旅の面白さ。イラストレーターであるオガワナホさんのフィルターを通した本書の副題は、「食、アート、カルチャー、癒し 台湾の新たな発見をつめこんだイラストガイド」。

まさに、街歩きのわくわくを堪能できる一冊に仕上がっている。

「テーマは、インスピレーションを探す旅。私みたいな外国人イラストレーターが、台北ではどんなところへ行って、どんなものが目に留まるのかを伝えられたら面白いのでは、という思いからスタートしました」

お寺や市場、グルメ、マッサージなど観光の定番も取り上げているけれども、台北はライフスタイルブームのまっただ中。最先端のカルチャーに出合える書店やギャラリー、雑貨屋、カフェなどに多くのページを割いているのが特徴といえる。

「FacebookやInstagramで探してよさそうなところへ実際に行ってみたり、現地のクリエイティブな人に取材をしていくなかでオススメの場所を教えてもらったりすることの積み重ねでした。もともと旅行が好きなのですが、出発前に徹底的にリサーチをするタイプなんです。それが役に立ちましたね」

通常のガイドブックにはなかなか載らないような、新進気鋭のお店の雰囲気や注目アイテムなどのイラストは見ているだけで心が躍るし、親近感のある文章は、台北通の友だちからいろんな情報を直接教えてもらっているような気分になれる。

「歩きながら建物や人間観察などするだけで、いろんな発見があると思います。ステキな本屋さんが増えているので、言葉を理解できなくても装丁などのデザインを見るのも楽しいですよ。つい、あれも行きたい、これも行きたい! となりがちですが、インスピレーショントリップを楽しむならば、何かを見たらちょっと立ち止まり、考える時間を持つくらいがちょうどいい気がします。私自身も目標なんですけどね(笑)」

◇おがわ・なほ 国内外で活躍するイラストレーター。著書にナナとミミの絵本シリーズ。アロマライフコーディネーター川野菜穂さんとのコラボ商品“Aromatic Brooch by nn”が販売中。

◇インスピレーションが得られる場所、モノ、人を、写真を使わずイラストと文章のみで紹介する台北ガイドブック。読んだら絶対に行きたくなります! 誠文堂新光社 1300円


※『anan』2016年10月5日号より。写真・森山祐子(本) 土佐麻理子(オガワさん) インタビュー、文・兵藤育子