塩おむすびと、おみそ汁。ちょっとの心がけで、そんな“普通”のごはんに、人生が好転する特別な力が宿るのだとか。その名も「神様ごはん」。

提唱するのは、食の開運パワーに惹かれてこの道を志した、開運料理人・ちこさん。しかしそもそも、なぜごはんを変えれば開運できるの?

「住環境を変えたり、占いや開運グッズを利用したりと、開運の方法は色々ありますが、毎日の食事を変えることは一番手軽で最短の道。子供からお年寄りまで、いつからでも実践できますし、“美味しい”という理屈抜きの感覚を持つことが開運に繋がるんです」

「美味しい!」というプリミティブな気持ちが開運のポイントとは。しかし当然、ただ味覚に訴えかける食事、ということだけではダメ。

「大まかなポイントは3つ。(1)台所を神様が宿る場とみなす、(2)その場(台所)を清める、(3)自分自身を清める、です。ただ食べるためではなく、神聖な意識で料理をし、それをいただくことで、味覚だけでなく心の奥深くまで満たされる。すると、運気の詰まりが取れていくのです」

曰く、開運とは“詰まりが取れて、サラサラと水が流れるように、運が巡っている状態”。毎日の食事という形で自然に続けていくうちに、いつしか悩みから解き放たれ、細胞の奥から生まれ変わった自分を実感することができるはず。

【「神様ごはん」を作る基本十か条】

一.台所にマイ神棚を作る
「神棚を置くことは、日常の空間にパワースポットを作るということ。“ここは神聖な場だ”と思うだけで、感覚が繊細になり、場の乱れにも敏感になります。狭いコーナーでもいいので、まずは台所の端に置いてみて」

二.冷蔵庫の中をキレイにする
「冷蔵庫を片づけて、なぜか抱えている悩み事までスッキリした経験はありませんか? 冷蔵庫はズバリ、無意識と直結するもの。乱れていると、思考も混乱…。週に1度、食材を使い切るリセット日を作りましょう」

三.無駄なものを減らし、台所を清める
「モノで溢れていたり、ホコリや汚れが目立つ神社にご利益を感じる人はいないでしょう。台所は日常空間ですが、“神様ごはん”を作るには、清浄さが不可欠。不要なものは手放し、小まめに拭き掃除をして神聖さを保って」

四.道具と調味料を吟味する
「台所用品にはつい欲しくなる便利グッズが多いもの。あえてそれを絞り込み、上質で厳選されたいい道具、いい調味料を使いましょう。モノを大切に扱うようになるだけでなく、同じ料理でも格段にランクアップ」

五.食器を食材として選ぶ
「私は、土に有害物質を含まない、遠赤外線効果の高い食器を使用していますが、不思議と料理の味がまろやかに。一般的に、食器とは料理を装う“洋服”のような存在と捉えがちですが、食べ物の一部として考えてみて」

六.食材は半分は地産、半分は全国のものを選ぶ
「あえて、食材の半分を地元以外の食べ物にしてみましょう。血縁のルーツとは、遡れば把握できないほど無数にあるもの。意外な産地の食材に、不意にDNAのスイッチが押され、なぜかエネルギーが湧き出てくることも」

七.道具を人として扱う
「道具を自分の体の延長や生き物のように捉えるということ。私の店には愛称をつけた鍋があるのですが、名前があると決して雑には扱えないもの。大切に扱えば扱うほど、道具は本来持っている力をより発揮します」

八.調理前には身を清める
「神事を行う際は、禊といって、邪気を祓い体を清める儀式が欠かせません。料理に臨む際も、塩を入れたお風呂に入ったり、塩で歯磨きをしたり、儀式感覚で浄化を意識してみましょう。感覚が鋭敏になるのを感じるはず」

九.調理中は無言で、祈りを込める
「おしゃべりをすると、料理に込めるはずのエネルギーが外に漏れていきます。妄想に耽っている時も同様。料理も瞑想と思い、無心でありつつ、食べる相手や自分自身を更に高めてくれることを祈りながら作りましょう」

十.捧げる気持ちで供する
「生命あるものには神様が宿ります。それは食べ物だけでなく、共に食べる相手や私たち自身も同様。ただ料理を並べるのではなく、自分にも相手にも捧げるように丁寧に供することで、食事は特別なものに変わります」

◇ちこさん 開運料理人。17歳で人生をも変える“開運料理”に開眼。2006年、大阪・枚方市に『御食事ゆにわ』をオープン。最新刊は『運気を上げるごはんのひみつ−食事のエネルギーを高めるゆにわの作法−』(PHP研究所 1500円)。


※『anan』2016年10月12日号より。写真・吉村規子 文・三枝陽子