千年の昔から人々の生活に密着していた「暦」には、私たちの生活に役立つ知恵がたくさん詰まっています。今回は、暦に関する4つのコラムをご紹介いたします。

【来年の干支】
いつも年の瀬になると「来年の十二支って何?」という会話が飛び交います。2017年は酉年、正確には2/4の立春から丁酉(ひのととり)年です。多くの人は西暦1/1から次の干支に変わると思っていますが、本来は節分後の立春が年の変わり目です。

丁は人工的な炎のイメージで、「考え方や価値観」の象徴。酉は熟成を表すことから、「お決まりのスタイル」です。すると、この丁酉は“お互いの考え方や生活方針をすり合わせる年”となります。個々の主張や自立性が強まり、人間関係の変化に合わせて生活スタイルを変えていく人が増えそうな予感。

あなたが偏見を捨てれば、あなたへの誤解も解けます。それに伴い、いい感じの生活ペースを築いていけるはずです。

【12星座と季節の暦】
日本の暦についてはよく知らなくても、星占いの12 星座を知らない人はまずいません。でも、その12星座が暦と関連していることまではあまり知られていません。

暦の発端は、農業や祭事などのために季節の推移を知る必要があったことでした。具体的には、太陽観測や星座の位置から冬至・夏至・秋分・春分の日時を知ること、潮の干満の度合いを知るために新月や満月の周期を計算すること、などです。

冬至は12星座での山羊座の始まり、夏至は蟹座の、秋分は天秤座の、春分は牡羊座の始まりです。世界の各地で同じような観測や計算が行われ、それぞれ独自の暦として発展を遂げました。中国から日本に伝わりアレンジされた24節気や72候もそのうちの一つです。

【お正月の秘密】
年越しのカウントダウンが終わるとやってくる「お正月」。現在は西暦の1/1が元日ですが、旧暦時代の日本は月の満ち欠けに沿って一年を過ごしていたため、元日も旧暦の1/1でした。2017年は1/28が新月の日で旧正月になります。

正月にはお餅を食べるのが慣例ですね。もともと鏡餅は、大晦日に魂を清めた人間に神様が霊気を込めて贈ったものとされます。そのお餅を食べると魂が新たな力を得る。これを「年魂」といい、今のお年玉の原型です。そしてこのことを、新月から満月へと光が満ちる様子に関連づけて祝ったのです。「新年おめでとうございます」とは単に年が明けた意味ではなく、私たちの魂が新年仕様になったことへの賛辞だったわけです。

【月にまつわる2つのリズム】
月には2つのリズムがあります。一つは誰もが知る満ち欠けのリズム。月齢や月相として知られています。もう一つは遠近のリズムです。月は地球の周りを楕円軌道で回っているため、地球に近づいたり遠ざかったりします。最も近いとき(近地点)と最も遠いとき(遠地点)の距離の差は約5万km。これは地球を4つ並べたのと同じくらいの距離です。あるいは、船やヨットで世界一周するくらいの距離と聞けば想像できるかもしれません。

今年の10月〜12月は近地点周辺の満月で、特に11/14は満月当日が近地点です。具体的には、近地点の満月は遠地点の満月よりも14%大きく、30%明るくなります。この秋〜冬は、ぜひあなた自身の目でその違いを感じ取ってみてください。


※『anan』2016年10月12日号より。イラスト・角 裕美