アーティスト・森高千里をイメージして本をめくると、あまりの違いに驚くかもしれない。

ページに溢れているのは、森高さんの等身大の姿、そしてリアルな本人の声。日々の料理や、家を飾ること、手作りをすることなど、雑誌『クロワッサン』の連載をまとめた一冊『森高千里の暮らしのレッスン』には、読んですぐに活かせる、毎日の暮らしを楽しくするヒントがいっぱいだ。

「子育てが一段落して、やりたいことに挑戦できる時間が増えたのと同時に連載が始まって、とてもラッキーでした。この本では、私が興味を抱いたこと、学びたいことをその道のプロの先生に伺い、簡単に取り入れられる、暮らしを彩るアイデアとしてご紹介しているんです。でも、こんなふうに自分の暮らしや生き方をそのままお伝えするなんて、歌手の仕事をしてきた中では、お見せしたことはありませんでしたね」

本の中での森高さんは、実に楽しそうにレッスンを受けている。

「毎回の取材が本当に楽しいんですよ。時短でも手の込んだ料理に見える作り方だったり、大人のセンスが光るギフトラッピングの仕方だったり、撮影されていることを忘れるくらい集中してしまいます(笑)」

なんでも面白がって挑戦するのが森高さんのスタイル。自分の好きなことがわからない、やりたいことが見つからない、なんて悩んでいる人にとったら羨ましい限りだ。

「考えも行動も、すごくシンプルな願望から生まれています。あれが食べたい、これやってみたいと、何かアンテナにひっかかることがあったらチェックしておいて、時間がある時にやってみる。雑誌の記事を切り抜いたり、テレビの情報をメモしたり…。誰かに与えてもらうのを待つのではなく、自分で楽しみを見つけるようにしています。そんな考え方は、ツアーやレコーディングに追われ、多忙だった20代の時と変わっていないかも。今度のツアーはここに行くから、だったら絶対この店のこれが食べたい! ってメモや切り抜きを必ず持参していました(笑)」

本に登場する先生やテーマには、森高さんが日頃からチェックしていたことが反映されている。

「趣味や習い事ってそんな気楽なノリで始めてもいいんだ、と思っていただければいいかも(笑)。アンアンの読者の方にも“あ〜これは面白そう”“こういうやり方もあるんだ”とか、自分の生活に活かせるヒントを見つけていただければ嬉しいです」

毎日同じように、そして忙しく過ぎていってしまう日々の中で、些細なことでも楽しみを見つけるのは、生きる知恵かもしれない。

「そうかもしれませんね。私、とても欲が強いんですよ(笑)。やりたいこと、食べたいもの、欲しいもの…。それが生きるエネルギーにつながっています。欲がなくなるのは寂しいから、自分の欲には忠実に生きていきたいなって思っているんです」

◇もりたか・ちさと 歌手。1969年生まれ。1987年にデビュー。結婚、出産、子育てを経て、2012年に本格的にライブ活動などを再開。現在は様々な媒体で活躍中。カーディガン¥34,000(ジョン スメドレー/リーミルズ エージェンシー TEL:03・3473・7007) スカート¥24,000(モロコバー/モロコバー六本木ヒルズ店 TEL:03・3470・1065) ピアス¥1,500 バングル¥1,600(共にアネモネ/サンポークリエイト TEL:082・243・4070)

◇森高さんが生徒になり、各ジャンルのプロから、誰にでも役立つ知恵を吸収しながら実践。料理やインテリアにまつわる、日々の暮らしを豊かに彩るアイデアが満載。レシピやハウツーも多数で、すぐ試したくなる。マガジンハウス 1400円


※『anan』2016年10月19日号より。写真・玉置順子(t.cube/森高さん) 森山祐子(本) スタイリスト・程野祐子 ヘア&メイク・渡辺真由美(GON.) インタビュー、文・板倉ミキコ