この夏の話題を席巻したリオ・オリンピック。スポーツにはまったく興味を示さなかった人も、閉会式で披露された来期の開催地・東京のパフォーマンスには目を奪われたはず。

この秋、来日公演をおこなうフィリップ・ドゥクフレも、いまから20年以上前の1992年、仏・アルベールビル冬季オリンピックで開会式&閉会式の演出を手がけている。そしてそのパフォーマンスは、今回に引けを取らないほどの衝撃で、漫然とテレビを見ていた人たちの多くを釘付けにした。なぜなら圧倒的にお洒落で可愛く、そして見たことのない奇妙さに溢れていたから。

フィリップ・ドゥクフレは、もともとサーカス学校を経てパントマイム、その後ダンスを学び、ダンスカンパニーで活躍するという異色の経歴を持つ人。彼の作品でまず目をひくのは、その衣裳のオリジナリティ。ヨーロッパ独特のゴシックなテイストと、Eテレ『にほんごであそぼ』の衣裳を手掛けるひびのこづえさんのような遊び心とが融合した、面白可愛いカラフルな衣裳だけでも、かなり楽しめるはず。

そこで披露されるのは、サーカスのエアリアルと呼ばれる空中パフォーマンスだったり、コンテンポラリーダンスだったり。時にミュージカルさながらに歌い踊る華やかな場面があったり、シンプルな舞台で影を使ったクールな場面や、かと思えば広い舞台でちんまりとパントマイムで魅せることも。何が出てくるのかわからない、おもちゃ箱のよう。その高いアート性だけじゃなく、多くの人を惹きつけるのは、そこにサーカスの持つ猥雑さや妖艶さ、演芸的な単純明快な笑いといった、大道芸を思わせる身近さや親しみやすさがあるところ。

今回来日する『CONTACT』は、フレンチ・キャバレー・ミュージカルと評された作品。ハリウッドのミュージカル映画などへのオマージュもあり、生演奏に合わせ、ダンサーが歌う場面があるそう。誰もが楽しめ、誰もが笑って好きになれる、そんな舞台になりそうだ。

◇10月28日(金)〜30日(日) 与野本町・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール 一般/ S席6500円、A席4000円 U−25/S席3500円、A席2000円(25歳以下対象、要証明書)すべて税込み 彩の国さいたま芸術劇場 TEL:0570・064・939 www.saf.or.jp 10月22日、23日に新潟公演あり。(C)Laurent Philippe


※『anan』2016年10月26日号より。文・望月リサ