『デジモンアドベンチャー tri. 第3章「告白」』が、いよいよ2016年9月24日(土)から3週間限定上映をスタートする。本作は1999年から2000年にかけて放送された人気テレビアニメ『デジモンアドベンチャー』の6年後を描く続編。当時から『デジモン』に熱狂していたファンを始めとする多くの人々が劇場へ足を運び、『第1章「再会」』はミニシアター系ランキング4週連続1位を獲得。続く『第2章「決意」』も興行収入1.6億円を突破する勢いを見せている。

このたびアニメ!アニメ!では、期待の高まる第3章公開に向けて座談会を敢行。『デジモン』直撃世代である20代のライター・編集者が集まり、初代『デジモンアドベンチャー』の思い出から、これまでに発売されてきた玩具にゲーム、『tri.』とその行く先についてトークを繰り広げた。参加したのはアニメ!アニメ!編集部のタカロク、インサイド編集部の栗本、ライターの半蔵門アラタ、キャプテン住谷の4人。本稿では、その座談会の模様をお届けする。
[聞き手:タカロク 取材・構成:キャプテン住谷]

『デジモンアドベンチャーtri.』
2016年9月24日(土)2週間限定上映
http://digimon-adventure.net/

■ 初めて『デジモン』と出会った時

―まずは初代『デジモンアドベンチャー』について

栗本浩大(以下、栗本):
僕はリアルタイムで見てましたね。

キャプテン住谷(以下、住谷):
僕もそうです。

半蔵門アラタ(以下、半蔵門):
僕もそうなんですけど、放送当時は5歳でした。

栗本:
おお……たしか放送開始は1999年ですよね?

半蔵門:
はい。電話ボックスがあったり、デジタルワールド(※)ってすごい不思議じゃないですか。今思うとモンスターはもちろん、そういう世界観に惹かれたところはあったかも知れないですね。

※『デジモン』シリーズに登場する電脳空間。地球と同じように大陸や海が存在する。ファイル島、フォルダ大陸などパソコンに関連するネーミングが特徴的。

栗本:
僕も世界観に惹かれました。99年って今ほどパソコンが普及していなくて、しかも子どもは触らせてもらえなかったじゃないですか。だから携帯電話と同じで憧れのアイテムだったんです。そんな中『デジモン』はパソコンの中が舞台だったので、めちゃくちゃ魅力的でした。

あとですね……あれは忘れもしない42話「沈黙の海底ホエーモン」を見たときのことです。この回では強敵としてメタルシードラモンというデジモンが登場するんですが、こいつが強くてですね。当時最強クラスだったウォーグレイモンが対峙するんですが、その時メタルシードラモンが「同じクロンデジゾイド合金だ、そう簡単に傷は付けられんぞ」と言い放つんです。ちょっとマニアックな話になりますが、メタルシードラモンは全身が最強金属のクロンデジゾイトという合金で覆われてまして、一方のウォーグレイモンはクロンデジゾイド合金の鎧を纏っているんです。つまり、「最強のクロンデジゾイト同士がぶつかってもそれほどダメージがない」ということなんですが、こういう設定が結構あるんですよ。いや凄いですね。

半蔵門:
ちなみにオモチャから入りました? アニメから入りました?

栗本:
アニメからですね。いわゆる、その四角いヤツ(※)は触れてこなかったですね。

※1997年6月26日に発売した携帯育成ゲーム『デジタルモンスター』、およびそのシリーズのこと。本体がレンガのようにデザインされた四角形だった。

―私持ってましたよ。海外にいたけど、わざわざ取り寄せました。

住谷:
すげぇ!

―Vジャン派だったんですよ。で、マンガ(※)を読んでデジモンにハマって。だから逆にアニメは知らなかったです。

※1999年から2003年まで集英社の『Vジャンプ』に連載されていた『デジモンアドベンチャーVテイマー01』のこと。原作を井沢ひろし、漫画をやぶのてんやが担当し、本郷あきよしが監修を行っていた。主人公は『デジモンアドベンチャー』と同じく八神太一だが、パートナーはブイドラモンとなっている。

栗本:
オモチャは太一バージョン(※)が初めてかな。あのクリアオレンジっぽいやつ。

※アニメの登場キャラクターたちが持つ「デジヴァイス」を商品化した玩具。1999年に第1弾として、クリアオレンジ(八神太一カラー)とクリアブルー(石田ヤマトカラー)の2種が発売された。

半蔵門:
僕もそれでしたね。親戚のお兄ちゃんが持ってるペンデュラム(※)を羨ましく思ってて、いよいよアニメが始まるってことで親に買ってもらいました。

※『デジモンペンデュラム』。初代デジタルモンスターシリーズの後継機として1998年10月より展開を開始した。振り子(=ペンデュラム)を内蔵しており、本体を振ることでデジモンのトレーニングやバトルに影響するシステムが話題となった。

住谷:
僕は何から『デジモン』に入ったか覚えてないんですよね。アニメも四角いヤツもやってたし、気がついたら『デジモン』に関する全方位にハマってました。


栗本:
『デジモン』といってもいっぱいありましたよね。アニメがあってオモチャがあって、カードゲームやテレビゲームもありましたし。

住谷:
多分ですけど、一番最初は『コロコロコミック』(※)だった気がするなぁ。コロコロってそういう子ども向けのオモチャの情報をよく載せるじゃないですか。そこで『デジタルモンスター』を知った気がする。

※『月刊コロコロコミック』。1977年より小学館から刊行された子ども向け漫画雑誌で、キャラクターや玩具、ゲームについて紹介している。メーカーとタイアップした漫画を掲載するなど、様々な商品におけるブームの火付け役となった。

―あの頃のコロコロって黄金期でしたよね。ミニ四駆とかヨーヨーとか釣りとか、色々なものが流行ってた。

住谷:
『デジモン』に限らず、コロコロに影響を受けた人は多かった気がしますね。

(次ページ:当時の周りの友達の様子は?)

―当時って周りの友だちもオモチャを集めていましたか?

栗本:
少なかったですね。3人くらいかな。

住谷:
僕の周りは持っていなかったですね。

半蔵門:
僕の周りには結構いました。公園に集まっては延々と対戦したりして。

住谷:
カード(※)は結構やってました。後はワンダースワンのゲームですね。
あの頃、デジモンのゲームはほとんどワンダースワンだった気がします。

※『デジタルモンスターカードゲーム』。デジモンを進化させながら対戦するトレーディングカードゲームで、『デジモンテイマーズ』の世界にも登場している。

住谷:
『バトルスピリット』(※)という対戦型のアクションゲームがあったんですけど、それは当時結構流行ってたかな。大会なんかも結構開かれていましたよね。

※『デジモンバトルスピリット』。2001年10月に第1作目がリリースされた対戦型アクションゲームシリーズ。開発をDimpsが担当、バンダイより発売された。相手に攻撃を当てると出てくる「スピリット」を制限時間内に集め、その多さで勝敗を競った。


半蔵門:
僕はゲームで言うと、データカードダスをメチャメチャやってました。当時中学生で、おこづかいをつぎ込みましたね(笑)。

栗本:
あと、ゲームはプレイステーションも多かった印象です。『デジモンアドベンチャー』のゲームもあったし、カードゲームのやつもありましたよね。『デジモンワールド』なんかはいまだに続編が作られるくらい人気ですし。

―カードゲームって復刻しましたよね

半蔵門:
プレミアムバンダイさんで昔のカードの復刻版はありましたね。

栗本:
あれ熱いですよね。当時は『遊戯王』『デュエルマスターズ』『ポケモンTCG』あたりが人気で、『デジモンTCG』をやっている人があまりいなかったので、この年齢になってまた触れられるのは嬉しいです。

住谷:
でも、『アプモン』(※)でもまたカード展開をしてくれるみたいなので個人的には期待しています。カードのデザインも懐かしくて、PVを見ると楽しそうでしたよ。

※正式名称は『デジモンユニバース アプリモンスターズ』。デジモンシリーズに属する新作で、2016年10月よりテレビ東京系列にてアニメが放送開始予定。モンスターのモチーフがアプリになっている。



住谷:
『デジモン』はやっぱり、さっきも仰ってましたけどパソコンやインターネットとのつながりが大きいですよね。

栗本:
そうですね。2001年になると『ロックマンエグゼ』というインターネットが舞台のゲームが出てくるんですが、それよりも前の1999年でこの設定。当時は何もわからない子どもでしたが、それでもワクワクが止まりませんでした。

住谷:
あの頃、リアルタイムでアニメを見てた子どもたちって『デジモン』に触れるくらいの時期に、ちょうどインターネットの存在を知った頃だと思うので。そこが作品と結びついてるから印象が深いんでしょうね。

栗本:
あとはストーリーが結構ハードというか、毒を含んでいるんですよね。何かと乗りこえないといけないものがいっぱいあって。パタモン死んじゃうし……。

住谷:
ヘブンズナックルを撃ってね。犠牲になってデジタマに戻ってしまう。

栗本:
そうそう(笑)。あの憎きデビモンにね。しかもこれ全54話中の13話ですよ。深夜アニメでいえば1クールぐらいですが、それでも序盤という感覚です。

―そうなんですか。全勝! みたいな感じじゃないんですね。

栗本:
苦労して彼らは成長していったんです。

―1年かけて?

栗本:
そう(笑)。でね、13話「エンジェモン覚醒!」でパタモンが死んじゃうわけなんですが、その3週間後に放送された16話「暗黒進化! スカルグレイモン」でアグモンが暗黒進化しちゃって、これがまたね……。

あと話もそうなんですが、演出も結構エグくて、デジモンたちが身に付けている鎧とかが破壊されたりするんですよね。劇場版では腕もげますし。

半蔵門:
ヤマトとタケルの関係も結構ハードですよね。両親が離婚してる兄弟なんですよ。

住谷:
お父さんにヤマト、お母さんにタケルが引き取られたので、兄弟だけど名字が違うんですよ。

―当時、子どもの頃にそういう設定を見て何か思うことはありましたか?

住谷:
僕も片親の家庭で育ったので、そういう意味では感情移入できたかな。今思うと、そういうところの描写がしっかりしていましたよね。

栗本:
当時は特に気にしてませんでしたが、後から『デジモン』ってすごいんじゃないかと思いましたね。そういう意味では大人でも楽しめる作品だと思います。

住谷:
ひとつ不思議に思っていたことがあるんですけど、小学生の頃に「今週の『デジモン』面白かったよな!」とか話をしてたの、男ばっかりじゃなかったですか?

栗本:
あまり覚えてないですけど、少なくとも女の子とは話してないですね。

住谷:
そうですよね。僕もそうなんですけど、『tri.』が始まっていざ劇場へ行ってみると……

栗本:
ビックリするほど女性多い。

住谷:
「こんなに女性ファンいたんだ!」って驚きましたよね。当時、自分の周りで『デジモン』にハマっていたのは男しかいなかったので。

半蔵門:
番組的な流れで見ていたんじゃないかな。『おジャ魔女どれみ』とか。僕は特撮が好きだったので、特撮の後にチャンネルをフジテレビに変えて見てました。

栗本:
僕も『おジャ魔女』見てましたけど、確かに『おジャ魔女』について男友達と話した記憶はないのでそんな感じかも知れないですね。

―女性側としては、当時教室で話すのが恥ずかったんじゃないでしょうか。それを知ってる人たちが『tri.』で戻って来たのでは。

半蔵門:
でも20代くらいの若い人たちも多いですよね。

住谷:
やっぱり、当時から見ていた人は多かったってことですかね。知り合いに女性のデジモンファンがいないから分からない……(笑)。

(後編に続く)