2016年9月25日に秋葉原UDX内のUDX GALLERYにて開催された「あにつく2016」。そのイベント内で「デジタルワークフローで”進化”するモンストアニメ」と題され、株式会社ラークスエンターテイメントのCGプロデューサー奈良岡智哉がアニメ版『モンスターストライク』(通称、モンストアニメ)の監督市川量也とCG監督である福島涼太を迎えて対談形式で講演を行った。
2016年12月公開の劇場版『モンスターストライク THE MOVIE』の制作でも使われたノウハウが紹介され、会場に集まった関係者たちは興味深く対談に耳を傾けていた。

モンストアニメは、株式会社ミクシィのXFLAG(エックスフラッグ)スタジオが提供する、スマホアプリ「モンスターストライク」を原作とするアニメだ。当初はゲーム内容を忠実に再現し、モンスターがボール化して攻撃を仕かける展開があったと語られた。
しかし、XFLAGスタジオ側からボール化してのアクションをアニメにすると違和感を覚えるという意見が出てきたため、シンプルな「モンスターたちの戦い」という部分にフォーカスするという方向転換に至った。

モンスターそのものに注力していく中で、既存の手書きによるアナログ作成では高いクオリティを保てるものの、工数とコストが大幅にかかることから、制作現場は徐々にデジタル制作へと移行。その一例として、同じパターンが頻出する「エフェクト」のテンプレート化が行われた。これによって一度制作したものをより早くより効率的に画へと入れ込むことが可能になった。
そしてもっとも大きなワークフローの変更はプロジェクト管理に「SHOTGUN」を導入したことだと奈良岡は語る。SNSのタイムライン形式で画や動画をアップできる「SHOTGUN」によって一括管理を行うことによって、アニメの制作進行において最も時間を浪費していたセルの「受け渡し」時間を大幅にカットすることができた。同時にチェック作業がスマートフォンでどこでも行えるようになり、本来制作進行が注力すべきクオリティチェックや予算の分配により時間を割けるようになった。
また、タイムライン形式での管理であるために、情報伝達がスムーズに行われるようになったことや他社で制作した動画をプロジェクトに関わるメンバー全員が共有できるようになったために、そこから刺激を受けてモチベーションの向上にも一役買っているとも語った。

さまざまな人間や企業が参加している劇場版においては、もはや「SHOTGUN」抜きでの進行は考えられないともしつつ、さらに次回で使用する場合の改善点なども試行錯誤を行っているという。アニメの制作現場におけるデジタルワークは、更なる進化の可能性を感じさせる。