9月25日、アニメ制作技術に関する総合イベント「あにつく2016」のセミナー「グラフィニカ×サンジゲン×ポリゴン・ピクチュアズ アニメエディターズクロストーク」が開催された。アニメやCG業界の中でフォーカスされることが少ない編集について解説するセミナーには多くの来場者が集い、収容人数180人のUDX GALLERY NEXT-1は満員となった。

セミナーにはグラフィニカの堀内隆、サンジゲンの編集スタジオであるエディッツの廣瀬清志、ポリゴン・ピクチュアズの渡邊潤が登壇。堀内の進行のもとで、それぞれの視点からトークを繰り広げていった。
まずは基礎知識として「編集の種類」について、オフライン編集とオンライン編集があることを説明した。オフライン編集はシークエンスの時間尺を決めるといったクリエイティブな部分に関わってくる作業である。オンライン編集はアニメ業界ではV編と呼ばれており、テレビ局などに納品するための品質管理を担っている。
一般的な工程での編集は、作画やCGなど絵の素材が出揃って撮影が終わった後に行われる。だがそれはあくまで理想であって、実際には作画や撮影と同時進行であることがほとんど。オフライン編集の際にようやく素材が揃うことも多いそうだ。

具体的なワークフローでは各社によって違いが見られた。グラフィニカは業界のスタンダードに沿っているのに対して、サンジゲンはコンテのときに仮編集をして時間尺を決め、映像に音をつけるダビングの前に再調整をしている。編集を2回に分けている理由について廣瀬は、音が付くことで映像のリズムがより明確になるので、演出意図にそった正確な間を作れるためだと語った。
ポリゴン・ピクチュアズでは、一部の作品では、アフレコではなくプレスコを採用している。その際、編集はプリプロの段階から作業に参加している。プレスコ時、最初はラジオドラマのように音声を編集し、CGアニメーターはそれを参考に芝居を作っていく。さらにモーションキャプチャーも導入しているため、その撮影風景を使ってラフ映像が作成できる。いわばコンテと編集が同時にできあがっていくことになるのだ。これは海外作品を多く手がけてきたポリゴンならではの手法で、ほかの二人は「どういう風になるのか想像ができない」と驚いていた。

セミナーの後半では編集マンが時間尺をどのように考えているのかについて話題が及んだ。アニメーターは1カットの中にタメ・ツメを作って魅力的な映像を作っていくのに対して、編集マンは作品全体を見通して盛り上がりを決めることが最大の違いだという。そのため渾身のカットであっても、作品の流れに合わなければ切ってしまうこともあるそうだ。
カットの時間尺にはすべて意味が存在し、編集マンはキャラクターの感情線やリズムに乗っ取って映像を作っていく。三人は作品が立ち上がってくる過程に携われることが編集の醍醐味であると語り、オーディエンスに向けてその魅力を伝えた。
[高橋克則]