国土交通省は21日、2017年の公示地価(1月1日時点)を公表した。住宅地の全国平均は前年から横ばい(0・022%上昇)で、9年ぶりに下げ止まった。ただ、地方を中心に、まだ全調査地点の4割超で値下がりが続く。都市部への移住が進み、特に駅の近くなど利便性の高い場所が値上がりして地価全体を押し上げている。

 住宅地では、3大都市圏(東京、名古屋、大阪)が前年と同じ0・5%の伸びだった。4年連続の上昇だが、頭打ち感も出ている。その分、地方中核都市の札幌、仙台、広島、福岡の4市が2・8%と高く伸びた。「札仙広福」とも呼ばれ、3大都市よりマンション建設を優先する開発業者も増えている。

 特に仙台は、全国の上昇率トップ10のうち7地点を占めた。いずれも15年12月開業の地下鉄東西線沿線。ただ、同市内でも中心街へのアクセスが劣る地点は下落している。

 3大都市でも地方4市でもない地方圏(その他)は0・8%の下落だった。最近は下落率が縮んでいるが、1996年から22年連続のマイナスとなった。都道府県別で値上がりは9都県。広島県は上昇に、昨春に大地震があった熊本県は下落に転じた。

 一方、商業地の全国平均は1・4%上がった。上昇は2年連続。訪日客に人気の地点で値上がりが目立ち、買い物客が多い東京・銀座や大阪・道頓堀、名古屋・名駅、有名観光地の京都・八坂神社近辺などは3〜4割の上昇率だった。

 工業地の全国平均も0・3%上がった。9年ぶりの上昇で、高速道路のインターチェンジ付近など、ネット通販の拡大で需要が増す物流施設ができた地域で上がった。

 すべての地価の全国平均は0・4%上昇。07、08年以来の2年連続の値上がりだが、上昇率は08年の1・7%より小さい。(石井潤一郎)