歯科治療中に歯にかぶせる金属の歯科材料や治療器具を患者がのみ込む事例が、過去約6年間で30件あったことが日本医療機能評価機構の調査でわかった。腹痛を起こし、内視鏡で胃から異物を取り出す例もあった。機構は「歯科医師は上半身を起こして治療したり、口の中をガーゼなどで覆ったりするなど予防策を講じてほしい」としている。

 機構が全国約1千の医療機関から2011年1月〜16年9月に集めた医療事故情報を分析した。

 調査によると、30件の異物の多くは歯にかぶせる金属冠やワイヤなどの金属で、エックス線検査で胃や気管支などで確認された。原因としては、歯科医らが治療時に持っていたものを落とすことが10件と最も多く、歯に装着した物などの落下が6件、医療機器に接続されていたものが外れて落ちたのが4件と続いた。

 患者の年齢別では70代、80代以上がそれぞれ9件ずつだった。多くの場合、異物を内視鏡で取り出しており、全身麻酔をしなければ取り出せないような例もあったという。(黒田壮吉)