坂本龍馬(1836〜67)が暗殺される直前に書いた手紙が新たに見つかった。高知県などが13日発表した。福井藩の重役に旧知の藩士を新政府に出仕させるよう求め、一日先になれば「新国家の御家計(財政)御成立」が一日先になるとせかす内容。専門家は「『新国家』の言葉は龍馬のほかの手紙でも見たことがなく、最後まで新政府の樹立に専心したことがわかる重要な資料」と話す。

 3月4日に開館する高知県立高知城歴史博物館(高知市)で展示する。県内の文化施設などが同日から始める観光キャンペーン「志国高知 幕末維新博」のPR会社「isana(イサナ)」(東京都中央区)が昨年8月、外部から購入。「全書簡現代語訳 坂本龍馬からの手紙」などの著書がある京都国立博物館の宮川(みやかわ)禎一・上席研究員ら複数の研究者が、筆跡や内容から「真筆」と判断した。研究者の間でも存在は知られていなかったという。

 手紙は縦16・3センチ、横92・5センチで、宛先は福井藩重役で京都滞在中だった中根雪江(1807〜77)。藩内の政争で謹慎中だった藩士の三岡(みつおか)八郎(1829〜1909、後に由利公正と改名)について、「(新政府への)出仕は急を要する。早々に(藩の)ご裁可が下りますよう願い奉ります」(現代語訳)と記している。日付は慶応3(1867)年の11月10日で、龍馬は5日後の15日に暗殺された。