台湾の外交部(外務省)は12日、ナイジェリアから同国にある台湾の駐在機関の名称変更と首都アブジャからの移転を求められたと発表した。台湾を自国の一部とする中国がナイジェリアに働きかけていたもので、台湾は「理不尽で筋が通らず、粗暴な政治的誇大宣伝だ」と反発している。

 台湾はナイジェリアと外交関係を持たないが、1991年に同国に駐在機関「中華民国商務代表団」を設置した。台湾を統治する政権の名称である「中華民国」が入っていることを中国が問題視。中国の習近平(シーチンピン)国家主席が昨年4月、ナイジェリアのブハリ大統領と、台湾と中国がともに中国に属するという「一つの中国」原則を確認するなど、働きかけを強めていた。

 これを受け、ナイジェリアは「公式文書に『中華民国(台湾)』を使用しないこと」などとする内部通達を出し、台湾との間で相互に駐在機関設置を決めた覚書の見直しにも着手した。

 台湾で対中政策を担う行政院大陸委員会は12日、「中国が圧力をかけ、台湾人民の感情を傷つけていることは両岸(中台)関係にとって極めてマイナス」などとして、強烈な不満を表明した。一方、ナイジェリア訪問中の中国の王毅(ワンイー)外相は11日、「ナイジェリアは果断な措置を講じた」と高く評価した。(台北=鵜飼啓)