◆ 赤ヘルの系譜 〜エース編〜

 四半世紀ぶりに訪れた歓喜に、広島の街が真っ赤に燃えた。

 高く厚い壁を乗り越えた今だからこそ振り返りたい25年前の記憶...。あの時の広島と今の広島を比較していくこの企画。今日は“エース”を見ていこう。


◆ MVPに輝いた右腕

 今から25年前、広島でエースと言えば佐々岡真司だろう。

 この年プロ2年目・24歳だった男は17勝(9敗)を挙げて最多勝を獲得。防御率2.44で最優秀防御率にも輝き、沢村賞、リーグMVPと大きな飛躍を遂げた。

 その後はチーム事情もあってリリーフ、ストッパーを務めることもありながら、広島一筋で18年プレー。通算138勝、106セーブをマークした。

 ちなみに「先発で100勝&100セーブ」は江夏豊以来で史上2人目という快挙。その後は上原浩治が日米通算で達成しているものの、日本のみで佐々岡に続く投手は現れていない。


◆ マエケンの穴を埋めた左右の両輪

 エースの前田健太がメジャーへ移籍。今年の開幕前はとにかくそこが大きな課題として挙げられてきた。

 ところが、フタを開けてみれば貯金「35」の独走劇。立役者となったのは、2人の“エース”だ。

 まずは5年目右腕の野村祐輔。2012年に新人王に輝くも、ここ2年は伸び悩んでいた男が大ブレイク。ここまで両リーグ最多の16勝を挙げ、負けはわずかに3つ。最多勝と最高勝率のタイトルをほぼ手中に収めている。

 防御率もリーグ4位の2.71と安定した投球でチームを支え、前田健太不在という不安要素を吹き飛ばした。

 そしてもう一人、欠かせないのが2年目の助っ人左腕・ジョンソン。昨年に続く2ケタ勝利を挙げ、昨年をひとつ上回る15勝をマーク。防御率も2.15と、今年も先発陣の柱として君臨した。

 これだけ強力な両輪に加え、ベテランの黒田博樹にシーズン途中から先発に転向したヘーゲンズらを擁する先発陣は強力。短期決戦が続くポストシーズンを戦う上でも、他球団の脅威となる。