西武は3日、球団OBで今季は中日で作戦守備コーチを務めた辻発彦氏が新指揮官に就任したことを発表。辻新監督は、所沢市内で記者会見を行った。

 会見の冒頭では「初めての経験で不安もあります。眠れない日もありました」と口にしつつ、「(監督の要請が)くるとは思ってもみなかった。西武ライオンズでの12年間、今の自分を作り上げてくれた。感謝の気持ちとともに、何か恩返しできれば」と古巣への“愛”を語った。また、「やるからには絶対優勝する。強いチームを作るために精一杯頑張ります」と意気込んだ。

 「1点にこだわる野球」。辻氏は終始、この言葉を強調した。

 35年ぶりとなる3年連続Bクラスが確定した西武。球団はその要因の一つをリーグワーストの101失策を記録した守備と考えており、“球際に強い人”を次期監督に求める条件として挙げていた。

 そこで白羽の矢が立ったのが、今季中日の一軍作戦兼守備コーチを務めていた辻発彦氏だ。辻氏は、佐賀東高から日本通運を経て1984年に西武に入団。1993年に首位打者を獲得し、二塁手として8度のゴールデングラブに輝くなど、西武の“黄金時代”を攻守で支えた。1999年にヤクルトで引退すると、その後はヤクルト、横浜(現DeNA)、中日でコーチを務めるなど、指導者としての経験も豊富だ。

 課題と言われている“球際”に関しては、「なぜ失策の数が増えたのか実際にプレーを見てみないとわからない」としながらも、「それぞれの選手の気持ち次第」、「野球は投手を中心とした守りから入っていかないと優勝はできない。1点をいかにして取るか、いかにして守るか、というところから始めたい」と、1点にこだわる野球を目指していくことを誓った。

 また、コーチ人事については、監督とフロントが一緒になって進めていくと鈴木葉留彦球団本部長は話し、辻氏は「コーチには常に選手を見てほしい。選手は見られると嬉しいし、期待されているという気持ちになる。“見ること”に力を注いでほしいと伝えたい」との考えを明かした。

 一方、選手には「多くの選手を見てると、精神的に弱い子が多いように感じる。ハングリー精神とか、なにくそという気持ち、やんちゃな気持ちをもって欲しい」と要望。「西武にはそういう選手がいると聞きますので楽しみです」と笑顔をのぞかせた。

 契約は2年で背番号は「85」に決まった。今後は、6日に始まる秋季練習に顔を出し、本格的に練習に参加するのは、10月中旬以降となる見込みだという。


 “稽古とは一より習い十を知り
    十よりかえるもとのその一”


 千利休の詠ったこの歌を、辻監督は入団当時の監督、広岡達朗氏から贈られたという。

 基本が一番大事、原点に返って再び一から。

 この言葉を胸に、“常勝軍団”の復活へ…。ついに新生「辻ライオンズ」が幕を開ける。