◆ 焦らずじっくりと戦力を整えることができた

 日本ハムが9月28日の西武戦で勝利し、4年ぶり7回目のパ・リーグ優勝を決めた。一時は、ソフトバンクに最大11.5ゲーム差をつけられたが、異次元の数字を残した二刀流・大谷翔平らの活躍もあり、球史に残る大逆転でのリーグ優勝だった。

 日本ハムのリーグ優勝により、クライマックスシリーズに進出するチームも確定した。首位は日本ハム、2位はソフトバンク、3位はロッテと、順位こそちがうが昨年と同じ顔触れだ。熾烈な優勝争いを演じた日本ハムとソフトバンクによる激闘がクライマックスシリーズで再び見られるかに注目が集まるが、不気味な存在がロッテである。

 7月上旬まで首位ソフトバンクを追う2位につけていたロッテだが、日本ハムの猛追で3位に転落すると、2位との差もあっという間に広がっていった。ただ、4位とも差があり、8月以降のロッテは、リーグ優勝は厳しいけれどクライマックスシリーズ進出はほぼ確実という位置にいた。

 しかし、その微妙な位置が功を奏した点もある。故障や不振で二軍落ちしていた投手たちが焦らず調整できたことだ。クローザーの西野勇士は、右ヒジの炎症で7月31日に登録抹消。リリーフとして26試合に登板し、防御率1点台と好投していた内竜也は右ヒジの張りで7月2日に登録抹消。同じくリリーフとしてブルペンを支えていた大谷智久も右膝内側側副靭帯損傷で8月3日に登録を抹消された。

 仮に、優勝やクライマックスシリーズ進出が僅差だった場合、少々前倒しで一軍に復帰させていたかもしれない。それとは関係なく、単に復帰に時間がかかった可能性もあるが、内が9月2日、大谷が9月26日、西野が9月27日に一軍復帰と、クライマックスシリーズを見据えて、徐々に戦力が整ってきたことは確かだ。


◆ 2010年は圧巻のリリーフ陣で3位から日本一へ

 2010年、史上唯一となる3位から日本一まで駆け上がったときのロッテは、リリーフ陣が圧巻のピッチングを見せた。2010年、レギュラーシーズンでのロッテの主なリリーフ陣の成績は以下の通りだ。

伊藤義弘
65試 1勝2敗30H1S 防3.48

薮田安彦
63試 2勝5敗28H1S 防3.15

古谷拓哉
58試 3勝0敗11H0S 防2.91

小林宏
57試 3勝3敗5H29S 防2.21

内竜也
15試2勝0敗4H0S 防4.50

 クローザーの小林宏の成績が目立つくらいで、ほかの投手は特筆すべき成績を残したわけではない。ところが、クライマックスシリーズ以降ではリリーフ陣の通算防御率が1.69と別人のようなピッチングだった。クライマックスシリーズだけに限ると、28回1/3を投げ自責点はたったの2。防御率0.64と相手打線をほぼ完ぺきに封じた。

 クライマックスシリーズ以降の個人別成績を見ると、伊藤が8試合に登板し防御率1.69、小林宏が8試合に登板し防御率0.82、薮田は7試合10回を投げ自責点0。レギュラーシーズンで15試合しか登板がなかった内は、クライマックスシリーズ以降で9試合に登板し13回を投げ自責点1と救世主のような活躍を見せた。

 2010年は優勝したソフトバンクとゲーム差なしの2位だった西武に2.5ゲーム差の3位と、今季よりもはるかに接戦だった。今季は、日本ハムに15ゲーム差、2位ソフトバンクにも12.5ゲーム差をつけられていることを考えれば、チーム力に大きな差があることは否めない。だが、あの下克上のインパクトを残したロッテは不気味だ。じっくりと調整できたことで、2強にどこまで食い下がることができるだろうか。

文=京都純典(みやこ・すみのり)