◆ 巨人が抱える7つの課題とは…

 巨人の2016年シーズンが終わった。本拠地東京ドームでDeNAに競り負け、クライマックスシリーズ敗退。12年に日本一に輝いて以降は14年にリーグV3が終わり、チーム成績も右肩下がり。今季も由伸新監督の元、なんとか2位を確保して10年連続のCS出場権を得たものの、DeNAの「若さ」の前に屈し2011年以来5年ぶりのCSファーストステージ敗退。結局、若手の伸び悩みや故障者続出といったペナント中の問題が最後まで解決することはなかった。今回はCS敗退から見えてくる巨人の来季への「7つの課題」をチェックしてみよう。

1.原巨人時代の主力の高齢化

 今季それぞれ復調してクリーンナップを打った阿部慎之助は37歳、村田修一も36歳。長年投手陣を支えてきた内海哲也は34歳、山口鉄也は32歳だ。代走の切り札・鈴木尚広も来年4月で39歳になる。由伸監督が選手時代をともに戦って来た盟友たちも選手生活の晩年に差し掛かっているのは確かだ。チームの「世代交代」は来季も大きな課題になるだろう。


2.坂本に続く若手選手の伸び悩み

 89年生まれの中井大介、藤村大介。90年生まれの立岡宗一郎、大田泰示、橋本到といった世代が、今季は揃って結果を残せなかった。オープン戦で注目を浴びたルーキー重信慎之介や2年目の岡本和真も一軍の壁にぶつかり、20代で活躍した野手は初の首位打者を獲得したキャプテン坂本勇人だけだ。結果的に彼ら若手の伸び悩みが代打不在といったベンチ層の薄さに繋がってしまった。支配下登録の20代外野手はたったの5名。さらに20代前半外野手は重信のみである。根本的なチーム編成の見直しが求められる。


3.先発ローテの層の薄さ

 CSでエース菅野智之が体調不良で離脱すると、負けたら終わりの第3戦をピークが過ぎた内海に託すしかなかった苦しい先発事情。昨年活躍した高木勇人やポレダがほとんど戦力になれず、ドラ1ルーキー桜井俊貴も故障に苦しみ二軍生活が続いた。高卒3年目サウスポー田口麗斗が二桁勝利を記録したのは明るい材料だが、二軍を見渡しても来季一軍ローテに定着できそうな人材は見当たらず、今年のドラフトで即戦力投手の指名は必須だろう。


4.頼れる長距離砲の不在

 全盛期は球界を代表するスラッガーだった阿部や村田は年齢とともにモデルチェンジ。坂本勇人や長野久義もタイプ的には中距離バッターだ。左の大砲として期待された新助っ人ギャレットは24本塁打を記録するも、CSでは11打数無安打と沈黙した。巨人の打者で年間30本塁打以上放ったのは2013年の阿部慎之助が最後。来季、期待のスラッガー候補岡本和真をどう起用するのか?由伸監督の手腕が問われるところだ。


5.マシソン頼みのブルペン脱却へ

 プロ野球新記録の9年連続60試合登板を達成した山口鉄也も今季防御率4.88とさすがに勤続疲労が見て取れる。最多セーブに輝いたクローザー沢村拓一も大事なところで救援失敗を繰り返す勝負弱さが目立った。結局、助っ人のマシソン頼りというブルペン事情。そのマシソンも来日5年で通算300試合登板と明らかに登板過多だ。将来的には今季64試合を投げた田原誠次を筆頭に戸根千明、宮国椋丞、そして二軍でシーズン終盤クローザー起用されていた小山雄輝らに期待が懸かる。


6.遅れる捕手の世代交代

 捕手では27歳の小林誠司がプロ3年目で自身最多の129試合に出場。大きくステップアップすると同時に、規定打席到達者最下位の打率.204と課題も残した。この阿部から小林への正捕手交代ばかり話題になるが、実は「第2、第3捕手の世代交代」もチームにとって頭の痛い問題だ。

 相川亮二が40歳、実松一成と加藤健が35歳になったが、この2年間で一軍の試合で捕手として守備に就いた20代の選手は小林誠司のみ。鬼屋敷正人や河野元貴といった91年組の若手捕手は14年以降一軍出場がなく、ドラフト4位ルーキー宇佐見真吾はイースタンで打率1割台に終わった。小林以外の一軍レベルのキャッチャーをどう育てるかというのも、来季以降の巨人の課題になるはずだ。


7.走れる選手の不在

 片岡治大、立岡宗一郎といった走れる選手がことごとく故障離脱し、リーグ4位の62盗塁、519得点に終わった巨人。パ・リーグ最年長盗塁王に輝いた糸井嘉男(オリックス)のFA補強がスポーツ各紙で報じられているが、今後の動きに注目だ。CS敗退と同時にすでに巨人のストーブリーグは始まっている。

文=中溝康隆(なかみぞ・やすたか)