「試合に出たくないと思いました。辛かったですけど、先輩方が声をかけてくれたので前を向いてやっていこうと思いました」。

 13日の日本ハムとのファイナルステージ第2戦で決勝打を放った柳田悠岐は、ヒーローインタビューで、このように話すほど苦しんでいた。9月1日の西武戦の守備中に右手薬指を骨折し離脱。チームは柳田の離脱が響き、最大11.5ゲーム差あった日本ハムに逆転優勝を許した。

 そんな中、全治6週間と診断された柳田は、驚異的な回復力でロッテとのCSファーストステージ初戦から復帰。トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成した昨季ほどの成績を残せなかったが、今季も打率3割をクリアするなどチームの中心として活躍。当然、故障から復帰した柳田にかかる期待は大きかった。

 だが、ファーストステージ2試合合計で、8打数0安打。チームは2連勝でファイナルステージに進んだものの、いまひとつ波に乗り切れなかった。

 日本ハムとのファイナルステージ第1戦でも、エース・大谷翔平の前に抑え込まれ、ノーヒット。この日も2打席目まで無安打と、ロッテとのファーストステージ第1戦から14打席ヒットなし。本来の力を発揮できずにいた。

 それでも5回の第3打席、三塁への内野安打で出塁し、CS15打席目で、ようやく「H」のランプが灯った。続く7回の第4打席は三振に倒れたが、1点を追う9回、本多雄一のタイムリーで同点に追いつき、なおも一死一、三塁で柳田の第5打席が回ってきた。

「ポンさん(本多雄一)が前で点を取ってくれたので、楽な気持ちでいけました。とにかく前に飛ばそう、それだけです」。

 一塁走者の本多が初球に二盗を決めて、二、三塁となると、日本ハムの守護神・マーティンが投じた3球目のストレートをセンター前に弾き返す貴重な勝ち越しタイムリー。一塁ベース上で柳田は雄叫びをあげた。

 続く内川聖一の内野ゴロの間に1点を加えたソフトバンクは、その裏、守護神・サファテがきっちり抑え、6−4で勝利。負ければ日本ハムに日本シリーズ進出王手をかけられる試合で、柳田の一打がチームに貴重な1勝をもたらした。

 ヒーローインタビューでは「足を引っ張っていた。やっと役に立てたので、明日からも頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。ようやく目覚めた“3番打者”。14日以降も、この勢いで勝利に貢献したいところだ。

【柳田悠岐のCS打撃成績】
<ファーストステージ>
10月8日vsロッテ
4打数0安打

10月9日vsロッテ
4打数0安打

<ファイナルステージ>
10月12日vs日本ハム
3打数0安打1四球

10月13日vs日本ハム
5打数2安打1打点