◆ ドラフト会議は20日!

 クライマックスシリーズのファイナルステージも終了し、今週末からは日本シリーズが幕を開ける。日本一をかけた戦いに注目が集まるが、その2日前にあたる10月20日(木)には、全プロ野球ファンが注目する2016年のドラフト会議が行われる。

 ドラフト会議の見どころのひとつと言えば、やはりドラフト1巡目で指名選手が競合したときの“抽選”だろう。2巡目以降は今季の成績に応じて指名順が決まる“ウェーバー方式”が採られているが、1巡目だけはどの球団も横一線だ。

 そこには各球団それぞれの戦略があり、手堅く“一本釣り”を狙うところもあれば、競合覚悟で評価の高い選手に手を挙げていくチームもある。ここでは、これまでのドラフト史を振り返り、歴代の“競合数トップ3”を振り返りたい。


◆ 2年連続の6球団競合

 第3位は、全球団の半数にあたる「6球団」による競合。2009年の菊池雄星(花巻東)と、2010年の大石達也(早稲田大)は記憶にも新しいところ。

・2009年:菊池雄星(投手/花巻東)
西武[当]、日本ハム、阪神、ヤクルト、中日、楽天

☆09年夏の甲子園で154キロを記録した本格派左腕には、甲子園を本拠地とする阪神や、東北に本拠地を置く楽天、その他にもヤクルト、中日、日本ハムが手を挙げたが、最初にくじを引いた西武が交渉権を手にした。

・2010年:大石達也(投手/早稲田大)
西武[当]、阪神、広島、オリックス、横浜、楽天

☆“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹が注目を集めた2010年のドラフトでは、斎藤と同じ早稲田大の大石達也に対し、斎藤の4球団を上回る6球団から指名が集中。前年に菊池の当たりを引き当てた西武の渡辺久信監督(当時)が今度は最後にくじを引き、2年連続で1/6の当たりくじを引き当てた。


◆ 最後の分離ドラフト

 また、高校と大学・社会人の分離ドラフト制度の最終年となった2007年には、東洋大の大場翔太を巡って「6球団」が競合した。

・2007年:大場翔太(投手)
ソフトバンク[当]、オリックス、横浜、阪神、日本ハム、巨人

☆入団初年度には、プロ初登板で無四球完封勝利や、1試合で16個の三振を奪うなど才能の片鱗を見せたが、その後は思うような結果を残せず...。中日への移籍を経て、今年10月に戦力外が通告された。


◆ 涙のKKドラフト

 第3位、残りの2選手はいずれも内野手だ。

・1985年:清原和博(内野手)
西武[当]、南海、日本ハム、中日、近鉄、阪神

☆同級生の桑田真澄と共に世間を賑わせたPL学園の清原和博にも、「6球団」が競合した。巨人への入団を熱望した清原には、相思相愛の巨人が1巡目で指名するとみられていたが、巨人は大学に進学するものと見られていた桑田真澄を強行指名。会見では清原が涙する場面も見られたが、最終的には西武へ入団。1年目から打率.304、本塁打31本、打点78という驚異的な数字を記録した。

・1979年:岡田彰布(内野手)
阪神[当]、西武、ヤクルト、南海、阪急、近鉄

☆東京六大学で三冠王のタイトルを手にするなど、注目を集めていた早稲田大の岡田彰布。岡田の出身地・関西に本拠地を置く在阪4球団を含む6球団が競合した後、相思相愛の阪神が交渉権を手にした。1年目から100試合以上に出場し、新人王に輝いている。


◆ 後のメジャーリーガーに7球団が競合も...

 続いて第2位は「7球団」による競合。これは過去に1度だけで、1995年のPL学園・福留孝介が記録している。

・1995年:福留孝介(内野手)
近鉄[当]、中日、日本ハム、巨人、ロッテ、オリックス、ヤクルト

☆抽選の結果、近鉄が交渉権を獲得するも、福留は巨人と中日以外なら社会人に進むことを表明していた。そのためこの年のプロ入りは実現せず、社会人の日本生命へと進んでいる。なお、その後1998年のドラフト会議で中日を逆指名し、プロ入りを果たした。


◆ 第1位は2人...

 さて、いよいよ第1位。全球団の3/4にあたる「8球団」が競合したのは、過去に2回。1990年の小池秀郎と、1989年の野茂英雄だ。

・1990年:小池秀郎(投手)
ロッテ[当]、阪神、ヤクルト、中日、日本ハム、近鉄、広島、西武

・1989年:野茂英雄(投手)
近鉄[当]、オリックス、日本ハム、ロッテ、大洋、阪神、ヤクルト、ダイエー

☆左腕の小池は、亜細亜大で東都大学リーグのシーズン最多奪三振記録(当時)を樹立するなど活躍。大学No.1投手との評価を受けて8球団が競合したが、交渉権を得たロッテには入団せず、松下電器に入社した。その後、1992年のドラフトで1位指名を受けた近鉄に入団している。

☆小池の前年、1989年にはじめて8球団が競合したのが野茂英雄。ソウル五輪での活躍などもあり、大きな注目を集めていた野茂を引き当てたのが、近鉄の仰木彬監督(当時)だった。野茂は入団1年目からパ・リーグの投手四冠を総ナメ。リーグMVPに新人王、ベストナイン、さらには沢村賞も受賞するなど、伝説的な活躍。8球団競合に違わぬ結果を残した。


◆ 大豊作の今年は...!?

 今年は創価大の田中正義をはじめ、履正社の寺島成輝や甲子園の優勝投手の今井達也などなど、有望投手が揃う“豊作”の年と呼ばれている。

 有望な選手が多すぎるだけに指名が割れる可能性もあるが、今年のドラフトでも「複数球団が競合してのくじ引き抽選」というシーンは見られることだろう。

 注目の2016ドラフト会議は、10月20日(木)の17時開始予定。“運命の一日”はもうすぐだ。