最高の首位いじめだった。ヤフオクドームと京セラドームで行われた4連戦を2勝1敗で迎えたソフトバンクとの最終戦(9月9日)。口火を切ったのは中島だった。初回、左翼席に先制の3ラン。「早い段階で点を取りたかった。ホームランが出てよかった」。この日、試合前に糸井が腰を痛めた影響で、急遽6月25日以来となる一塁守備に。緊急事態も慌てず、無難な守備でもチームに貢献した。

 しかし、2回と7回にエースの金子が3失点し、同点に追いつかれてしまう。打線も好機での1本が出ず、球場にはイヤな空気が漂った。だが、ルーキーの一発でその空気は一変。8回、先頭で打席に入ったドラフト1位の吉田正尚は、森福のスライダーを振り切った。当たったのはバットの先だったが、打球は伸びてポール際に飛び込んだ。プロ7号は勝利をたぐり寄せる1本に。試合後は「切れずに入ってくれて良かった。失投っぽいですね、キャッチャーの『あっ』という声が聞こえてきたんで」と興奮気味に振り返った。

 前日には和田から同点弾を、そしてこの日はリーグを代表するリリーフから勝ち越し弾を放ったルーキーに、福良監督は「すごいですね、たいしたもんです」と称賛を送った。後半戦はソフトバンクを苦しめたオリックス、この試合で3カード連続の勝ち越しを決め、王者を首位から引きずり下ろした。日本ハムの大逆転優勝の陰の立役者は実はオリックスだったのかもしれない。