小川泰弘がバットでも魅せた試合がある。8月17日のDeNA戦(神宮)。同点の6回に左翼席へ勝ち越しの1号2ランを放ち、投げては9回を3安打1失点。今季2度目の完投で6勝目(5敗)を挙げた。

「真芯でした。変化球が2球続けて外れたので、ストレートを狙って振り抜きました。芯に当たってくれて良かったです」

 偶然の一発ではない。メジャー・リーグ、ドジャースに移籍した前田健太投手が、今年4月に本塁打を放ったニュースを見て「相手に怖がられる打者になりたい」と刺激を受けた。杉村チーフ打撃コーチに「教えてください」と弟子入り。プロ2本目を「完ぺき」と自画自賛し、お立ち台で気持ち良さそうに笑った。真中監督は「今日は小川。今年一番の内容」と称えた。

「僕が投手と対戦するときは、1人の打者という意識で対戦する。過去には、投手に打たれる苦い経験もしているので1球1球、気を抜かないで投げている」

 ヤクルト(前身時代を含む)の投手が2年以上続けて本塁打を放ったのは6人目。日本投手では1980-82年の鈴木康二朗(3年)以来34年ぶりだった。

 プロ4年目の今季は3年連続開幕投手を務めるも、6月下旬に腰の張りを発症し、約1カ月間の離脱を経験した。それでも、この本塁打を放った試合を含め、8月に3試合連続の完投勝利(1完封含む)をマーク。自身初の月間MVPも受賞した。