開幕直後から先発陣がそろって崩れ、6回もたずに降板という試合が続いた中、“ロングもでき、抑えもできる”対応力が中継ぎとして重宝された牧田和久。圧巻は開幕2戦目、3月26日のオリックス戦(西武プリンス)だ。昨季のチーム最多勝投手の十亀が乱調で初回に5失点し3回で降板すると、そのあとを受けて6回1安打無失点と好投し、逆転勝利を呼んだ。

 また、4月9日のロッテ戦(QVCマリン)では3連投で5回から先発の十亀に代わり、4回を2安打無失点。早くも2勝目を挙げた。そのほかの試合でも、「勝てる可能性がある」と踏んだ試合では、場面を厭わずマウンドに上がり、文字どおり『フル稼働』が続いた。4月中旬までは中継ぎながら規定投球回数に達するという異例の事態も見られたのが、その証明だろう。また、一時はチーム最多勝利投手だった時期もあった。

 この活躍に首脳陣も、「ブルペンに牧田は欠かせない」と中継ぎの柱として、全幅の信頼を置くのみだった。その後、岸、菊池がケガから復帰するなど先発陣の安定によって、後半戦は主にセットアッパーを任され、最終的に防御率1.60と、サブマリンのチーム貢献度は年間通して突出していた。

 結果として、プロ6年目は初めて先発登板なしのシーズンとなった。それでも、“牧田節”は変わらない。

「いつもどおり、自分のやるべきことをやるだけです」

 来季、辻新監督は万能右腕にどのポジションを求めるか。注目したい。