想定以上の躍進がV争いに加わる欠かせないエッセンスになった。来日1年目のクリス・マーティン。9月4日のオリックス戦(ほっと神戸)で左足首を捻挫して離脱したが、非の打ちどころがないブレークを遂げた。適性を見込まれて開幕から一軍の中継ぎ陣へと配置され、6月の交流戦期間中に守護神へと転向。52試合登板で21セーブをマークし、防御率は1.07。栗山監督が「12球団で一番安定していた」と評価する仕事ぶりで進撃を支えてきた。 

 熱いハートで難役を務めてきた。昨季39セーブの増井が開幕から不安定。6月20日に今季2度目の出場選手登録を抹消して、マーティンを代役に配した後に奇跡の追撃が始まった。同日のDeNA戦(横浜)で3セーブ目をマークすると、そこからチームは球団新の15連勝と破竹の勢い。ソフトバンク追撃への上昇気流に乗せた立役者がマーティンだった。 

 構築し直した勝利の方程式で欠かせないピースへ。「与えられたマウンドで自分の投球をするだけ」と涼しいが、年俸8000万円(金額は推定)にしては「お値打ち」な十分過ぎるパフォーマンス。2メートル3センチの長身で甘いマスク。喜怒哀楽を隠すことのない投球スタイルで、ファンの支持も急上昇。レギュラーシーズン中の離脱は無念だが、ポストシーズンでは復帰の可能性がある。 

 最高峰の高み、10年ぶりの日本一への挑戦権を得るためには、絶対不可欠な切り札のカムバックを待つ。