ラオックスが中国最大手のオンライン旅行サイトを運営する「Ctrip」(シートリップ)と連携して訪日外国人(インバウンド)向けのサービスカウンターを設置した背景には、中国人旅行客の“爆買い頼み”の経営から脱却を図る狙いがある。

 「『爆買い』という言葉は、我々がつくった現象だ」。新宿本店で開いたサービス開始記念セレモニーで、ラオックスの羅怡文社長が説明した。
 ラオックスは、2009年に家電量販店から大型免税店に業種を転換した。その後、爆買いの後押しを受けて業績は右肩上がりを続け、15年度は過去最高となる約80億円の純利益を達成した。
 文字通り、商品が飛ぶように売れ、日本経済に好影響をもたらした「爆買い」需要。その恩恵を受けた代表格がラオックスだった。
 しかし、買い物よりも飲食やレジャーなどに関心が移り、爆買いの勢いが衰えると、好調だった業績が悪化。8月12日に公表した16年12月期第1四半期(1〜6月)の決算では、当期純損失は4億6400万円の赤字に転落し、46億円の黒字だった前年同期から一変した。
 ラオックスは、円高の影響や商品ニーズの変化による客単価の下落のほか、「団体旅行から個人旅行へのにシフトが進んでいる」と分析。これまでの団体客対策に加え、個人旅行客を意識したサービスの強化を重要視していた。
 そのため、中国の旅行サイトのなかで、最も多くの個人客を取り扱うCtripとの提携に、羅社長は「今まで手が届かなかった個人客に、有効なサービスを提供できる」と期待する。
 日本のインバウンド市場は成長初期段階で、これから飛躍的に拡大すると見込むラオックス。今回の試みをはじめ、今後も外国人のニーズに合わせた事業を展開する考えだ。