富士フイルムが9月8日に発売した「X-T2」は、プロユースにも耐えられるハイエンドミラーレス一眼だ。発売前から注目度は高く、想定を超える予約があり、一時期は生産が追いつかなくなるほどだった。この秋、ハイエンドカメラを手に入れた人も多いだろう。新しいカメラを手に入れたら、それに相応しいメモリカードを用意したい。

 「X-T2」の特徴といえば、画質やレスポンスの良さなど、さまざまな点があるが、カメラ愛好家が注目するのは、ミラーレスカメラのデメリットである、ブラックアウトの時間が短くなったことだろう。
 ミラーのないミラーレスカメラは、撮像素子が受けた映像を画像処理エンジンなどを通して液晶モニタや電子ビューファインダーに表示する。シャッターを切った時は画像を記録する処理を優先するため、液晶モニタや電子ビューファインダーに映像が表示されない時間が生じる。それがブラックアウトだ。
 「X-T2」は、ライブビュー表示の並列処理や、シャッターチャージの高速化などによって、ブラックアウト時間を従来モデル比で半分以下(0.130秒)にまで短縮。つまり、ライブビューの表示時間が長くなり、ファインダーで被写体をしっかりと確認しながらの連写撮影ができるようになった。
 ミラーレスカメラは、スポーツなど、動きの速い被写体の連写は不向きといわれていたが、「X-T2」は、ブラックアウト時間を短縮することでそれを克服。撮影できるバリエーションが広がった。

●長く連写するには高速のメモリカードが必要


 「X-T2」の連写機能を試すなら、使用するメモリカードにも気をつけたい。メモリカードの性能によって、連写枚数が制限されることがあるからだ。
 撮影したデータは内蔵のバッファメモリに一時的に保存され、挿入したメモリカードに書き込まれる。連写撮影の場合、メモリカードの書込速度が遅いと、バッファメモリからメモリカードにデータを移しきる前に次の撮影データがバッファメモリに保存され、バッファメモリがいっぱいになると撮影がストップしてしまう。
 つまり、メモリカードの書込速度が遅いと、カメラの連写性能を十分に発揮することができない、ということだ。では、快適な高速連写を実現した「X-T2」に相応しいメモリカードとはどれだろうか。
 レキサーブランドを展開するマイクロンジャパンが、YouTubeに「X-T2」の高速連写動画をアップした。これが実に興味深い。
 「X-T2」は、高速なインターフェースUHS-I/UHS-IIカードに対応している。UHS-IIカードはまだラインアップが少なく、持っている人は少ないだろう。だが、快適な高速連写撮影をしたいと考えているなら迷わずUHS-IIカードを手に入れるべきだ。
 レキサーの動画では、データ容量64GBのUHS-Iカード、UHS-IIカードを「X-T2」に挿入し、何枚連写できるかを比較している。書込速度が速ければ、止まることなく連写でき、逆に書込速度が遅ければバッファメモリがいっぱいになり、撮影がストップしてしまう。
 まず、秒間8コマでJPEG FINE撮影を行った。UHS-Iカードとしては現時点で最速の、書込90MB/秒のカードを使用したが、約42秒撮影したあたりでシャッターの切れにもたつきが生じ、撮影枚数は337枚となった。
 一方、UHS-IIはレキサーの書込速度260MB/秒の「Professional 2000x SDXC UHS-II」を使用。同じように秒間8コマでJPEG FINE撮影を行ったところ、もたつくことなく1000枚まで(約2分間)連写が続く。動画によれば「止まらないので1000枚で止めた」とのことである。
 「X-T2」を買い求めるようなカメラ中級者は、RAWで記録する人が多い。当然、JPEGに比べ1枚当たりのデータ容量は大きくなり、データ転送にかかる負荷も大きくなる。
 ロスレス圧縮RAW連写のテストでは、UHS-Iカードは35コマ(4.4秒)で連写速度が落ちた。一方、UHS-IIカードはその後も連写を続け、96枚(約12秒)で連写速度が落ちた。
 連写できる時間が長いと、スポーツや、動き回る子どもやペットの撮影がしやすくなる。極端な例えになるが、オリンピックの陸上男子100mで、これまでのカードだとゴール直前の数秒しか連写できないが、UHS-IIカードならばスタートからゴールまで連写し続けることができる。このぐらいの差がある。
 UHS-IIは下位互換があるので、転送速度はUHS-Iカードと同じになるが、UHS-I対応カメラで使うことができる。さらに、「X-T2」のように、UHS-IIに対応するカメラが増えてきている。最新のカメラを最高のパフォーマンスを引き出したいならUHS-IIカードを使おう。