時事問題は、近年は8〜9割の学校で出題されており、出題率は増加傾向にあります。そこで、選挙制度と国際問題を中心にお話しします。

国政選挙と地方選挙、選挙制度の移り変わりをチェック

2016(平成28)年は都政の混乱と都知事選が話題となりました。これに関連して、地方自治と国の政治を比較しながらまとめておきましょう。たとえば、内閣総理大臣は国会議員の中から選ばれますが、各都道府県の知事は、住民の直接選挙で選ばれます。

また、政党と選挙、選挙権の移り変わりは歴史学習と関連させ、流れをつかんでおきましょう。
明治時代、選挙制度が導入された直後は、25歳以上の男子で直接国税15円以上の納税者にしか選挙権がありませんでした。納税額による制限がなくなり、25歳以上男子による初の普通選挙が行われたのが1925年(大正14年)。(実施は1928<昭和3>)年。女性参政権が認められ、20歳以上の男女が初めて投票したのが1946(昭和21)年です。流れを知っておくと、18歳選挙権の意義も実感できることと思います。

政治に関する数字をまとめて整理!

政治分野には、さまざまな数字が出てきます。たとえば年齢です。
「18歳以上」といえば、今年引き下げられた選挙権が与えられる年齢。もうひとつは、国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)における投票権年齢です。国民投票法で投票権者が18歳以上とされており、これに伴って選挙権も引き下げられました。
「25歳以上」は、衆議院議員・市区町村長・都道府県議会議員・市区町村議会議員になれる年齢(被選挙権年齢)、「30歳以上」は参議院議員・都道府県知事の被選挙権年齢ですね。選挙権年齢の引き下げに伴い、被選挙権年齢も引き下げるべきだという議論もあります。

また、衆議院・参議院の定数(衆475議席・参242議席)、任期(衆4年・参6年)についてや、通常国会の会期(150日)などは覚えておきましょう。衆議院議員の定数は、今年5月の法改正で小選挙区が「0増6減」、比例代表が「0増4減」となり、改正法の適用後は、戦後最少の465議席となります。
衆議院議員選挙は4年間の任期満期終了による場合と、解散による場合がありますね。参議院には解散がなく、3年ごとに半数ずつが改選されるしくみになっています。

世界の結びつきと国際社会……国際連合を中心に

国際社会については、学校の教科書でコンパクトに説明されていますので、ぜひお子さまと一緒に目をとおしてください。毎年、外交関連や貿易関連は入試でよく問われます。日本の主要な貿易相手国の輸出品と輸入品についてはまとめて復習しておきましょう。

国際連合(国連)に関する問題は、毎年よく出題されます。
国際連合は、その前身である国際連盟が第2次世界大戦を防げなかった反省を踏まえて設立されており、国際連盟が全会一致採決であったのに対し、常任理事国5か国と非常任理事国10か国からなる安全保障理事会で、計9か国の賛成があれば採決可能となっていること、軍事力を持つことなどが異なります。
安全保障理事会PKO(国連平和維持活動)、国連の関連機関であるユネスコ(国連教育科学文化機関)ユニセフ(国連児童基金)などもよく出題されますので、意味や役割についてしっかりまとめておきましょう。

よく出る「略称」は時事問題と結び付けて整理を

国際問題に関連して、入試にはさまざまな略称が出題されます。昨年の入試に多く出題された略称としては、PKO(国連平和維持活動)、NGO(非政府組織)、ODA(政府開発援助)、TPP(環太平洋経済連携協定/環太平洋パートナーシップ協定)、WHO(世界保健機関)、WTO(世界貿易機関)などが挙げられます。

このほか、2016年にはイギリスのEU(ヨーロッパ連合)離脱が大きな話題となったため、EUに関する出題は増えると見られます。また、ここ数年、ヨーロッパではシリアなどの中東諸国やアフリカから数多くの難民が到達し、大きな社会問題となっています。それに伴ってUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に関する出題も増えています。

これらの略称は、取り組んだ問題に出てきたり、ニュースで聞いたりするたびに、そのつど書き出して整理する癖をつけましょう。

※この記事は、森上教育研究所主催・わが子が伸びる親の技研究会 「公民・時事問題」講習会(7月12日)の内容をもとに作成しています。

(筆者:早川明夫)