「抱っこグセがつくから赤ちゃんが泣いても抱っこしてはいけない」と言われたことはありませんか?
また実際に抱っこしないとすぐに赤ちゃんが泣き出してしまい、「治らないんじゃないか」と心配している保護者もいるかと思います。
抱っこグセはよくないことなのでしょうか。今回は赤ちゃんの抱っこグセについて解説します。

赤ちゃんが泣き出したら抱っこしてもいい?

「赤ちゃんが泣いたときに抱っこすると抱っこグセがついてしまう」と言われることもあるかもしれませんが、基本的には赤ちゃんが求めるときに抱っこしても大丈夫です。
赤ちゃんはおなかが空いたとき、眠たいとき、オムツが汚れたとき以外にも、「かまってほしい」というときにメッセージを込めて泣いていることもあります。
その場合には、赤ちゃんが全身で愛情を感じられるようしっかり抱っこしてあげましょう。

抱っこの効果についてはオキシトシンというホルモンの働きも見逃せません。オキシトシンは、赤ちゃんが保護者とふれあったり保護者に抱っこされたりするときに赤ちゃんの中で分泌されます。
そのオキシトシンは赤ちゃんの成長を促進したり、社交性と好奇心による行動を促したりする効果があると言われています。「安心ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンがたくさん分泌されるようにするためにも、赤ちゃんが求めるときには、ためらわず抱っこをしてあげましょう。
また、抱っこは「愛着形成」のためにも大切です。愛着形成とは、赤ちゃんが保護者に対し「守ってくれる、安心できる」という気持ちを覚えること。逆に、抱っこの機会が少ないとそうした気持ちをうまくもてない「愛着障がい」になってしまうケースもあります。

抱っこをがまんさせることで悪影響もある?

泣くことは赤ちゃんの感情表現です。もし泣いて抱っこを訴えても抱っこをしてもらえないと、赤ちゃんはだんだん自分の感情を抑え込むようになってしまいます。ひどい場合は、赤ちゃんが無表情になり、笑わなかったり泣かなかったりする「サイレントベビー」の原因になることもあります。
赤ちゃんの自然な感情表現を大切にする意味でも、抱っこをがまんさせないことが大切です。

家族に「抱っこしないで」と言われたら?

抱っこグセを気にする家族の手前、抱っこができないということがあるかもしれません。また保護者も育児以外のことが忙しくていつも抱っこができるわけではないこともあるでしょう。

そうした場合にはまず赤ちゃんが泣き出す原因を探り、その原因を取り除く努力をしてから抱っこするという具合にしてみてはいかがでしょうか。
例えば赤ちゃんは、おなかが空いている、オムツが汚れているということのほか、部屋の環境がよくなくて眠れない、というときも泣いてしまうことがあります。部屋が暑すぎたり寒すぎたりしていないか、明るすぎたりしていないかをチェックしてあげましょう。
「泣き止ませるためにすぐ抱っこ!」ではなく、赤ちゃんの要求を満たすためのひとつの方法として抱っこするようにしてみてください。

メリハリをつけることも大切です。例えばハイハイができるようになった、ある遊びができるようになったなど、成長の過程で抱っこ以外に興味をひかれるものができてきたら、その部分をほめてよく伸ばしてあげることが大切です。
そのうえで、抱っこを求めてきたときにはたくさん抱っこをしてあげるとよいでしょう。

なお1歳を過ぎて物心がついてくると「抱っこして」とはっきり求めてくるようになることがあります。抱っこ自体は愛情表現として、何歳になっても求められた場合はしてあげることが大切です。
しかし、行き過ぎると「保護者は何でもいうことを聞いてくれる」というわがままにつながることがあります。例えば、歩けるはずなのに歩きたくなくて抱っこを求めてくる場合などは、「がんばってちゃんと歩こうね」と抱っこせずに促すことが大切です。愛情を求めているのか、わがままで言っているのかをしっかりと見極めましょう。

抱っこグセを気にしすぎないで

抱っこは赤ちゃんの時期における大切な保護者とのコミュニケーションです。互いの愛情を確かめ合うときですから、抱っこグセを気にし過ぎず、思いきり抱いてあげるようにしましょう。
赤ちゃんの心からの感情表現をできるだけ受け止めてあげるようにしてくださいね。