お子さまに友だちやきょうだいができると、ときにはけんかをするものです。とはいっても、エスカレートしてしまわないか心配になることもあるかと思います。
保護者はお子さまのけんかに対してどこからどのように関与すればよいのでしょうか。今回はお子さまのけんかに対する保護者の関わり方についてご紹介します。

お子さまにとってけんかとは?

お子さまにとってけんかは悪いことばかりではなく、コミュニケーションや人間関係を学ぶために必要なプロセスです。友だちやきょうだいとさまざまな状況でけんかをし、仲直りをする過程は、お子さまの成長の機会になります。保護者は注意深くいながらも、温かく見守る気持ちをもちましょう。

けんかへ関わる方法とタイミングは?

保護者がお子さまのけんかに関わる方法とタイミングは、お子さまの年齢によって異なります。

◆幼児期〜小学校低学年
幼児期から小学校低学年の頃のお子さまは、まだ人見知りでうまく相手に謝れなかったり、あるいはかんしゃくを起こしてしまったりしがちです。したがってこの頃のけんかについては、保護者がけんかの現場で状況を観察しながら、手や足が出ないうちに介入する方法がよいでしょう。
謝り方やそれに対する許し方も、まだお子さまだけではうまく実践できない可能性があります。まずは「ごめんなさい」「いいよ」「ありがとう」といった言葉の使い方から教えてあげましょう。お子さまはけんかを解決するコミュニケーションの基礎をつくっていきます。

◆小学校中学年以降
小学校中学年になるとお子さまもけんかの状況を自分で観察できるようになってきます。謝り方や許し方も幼児期からの蓄積で、お子さまたちだけで実践できるようになってきている時期です。
保護者は現場から少し離れたところでお子さまに状況を話させたり、解決の糸口を探してあげたりといった関わり方をするとよいでしょう。

お子さまのけんかを解決に導く5ステップ

けんかをお子さま主体でうまく解決に導く際は、次の5つのステップを試してみましょう。

◆【ステップ1】まずはお子さまの気持ちを聞いてあげる
まずは「○○くんってひどいんだよ!大嫌い!」といった感情の吐露を受け取ってあげましょう。ただしその際、「本当にひどいね」などと安易に賛同してはいけません。また「『大嫌い』なんて言っちゃダメでしょ!」と頭ごなしに否定するのもやめましょう。
お子さまが本音を話せる場所がなくなってしまいます。「つらい思いをしたんだね」などと、中立的な立場から共感を示してあげるようにできればベストです。

◆【ステップ2】お子さまと一緒に状況を整理する
感情を吐き出してお子さまが落ち着いてきたら、けんかが起こったきっかけや原因を一緒に整理してあげましょう。

(子)「○○くんが鬼ごっこをしてくれずにサッカーばっかりするんだよ」
(親)「鬼ごっこをしたいってあなたが言っていたのに、聞いてくれなかったの?」
(子)「10回も言ったんだよ」
(親)「10回も『鬼ごっこをしよう』ってあなたが言ったのに○○くんは聞かずにサッカーを続けたんだね」

このように、お子さまがうまく説明できないところを補足しながら、状況を正確に把握しましょう。お子さまにとっても冷静に物事を見るトレーニングになります。

◆【ステップ3】本当はどうすればよかったか考える
状況が把握できたら、どうすればけんかにならずに済んだかを考えてみましょう。「本当はどうしたかったの?」とお子さまに尋ねてみてその提案を待ちます。お子さまから自然と解決の糸口を見つけられるよう辛抱強く待つことが大切です。

(子)「本当はサッカーを始める前に鬼ごっこもしようって○○くんに言っておけばよかった」
(親)「そうしたらけんかにならずに済んだかもしれないね」

など、保護者は聞く姿勢を保つようにしましょう。

◆【ステップ4】けんか相手の感情を考える
お子さまの気持ちが整理できてくると、お子さまにけんか相手の気持ちを考える余裕が出てきます。「○○くんはどうして鬼ごっこをしようとしなかったんだろう?」「あなたが怒ってうちに帰ってしまったとき、○○くんはどう思ったかな?」などとお子さまに尋ねてみましょう。
「今日は鬼ごっこがしたくなかったのかもしれない」「今はもっとぼくと遊びたくて悲しんでいるかもしれない」など、正解を決めずにいろいろと思いをめぐらせてあげることが大切です。共感性や思いやりを育むトレーニングになります。

◆【ステップ5】お子さまにどうしたいかを尋ねる
最後に、お子さまに「今、どうしたい?」と尋ねてみましょう。「次に会ったときに謝りたい」「手紙を書きたい」といったことをお子さまから言ってくるかもしれません。
保護者が促すのではなく、あくまでお子さまの善意に任せてやりたいようにさせましょう。お子さまだけでけんかを解決できるようになる第一歩になります。

お子さまのけんかは成長のチャンス!

お子さまのけんかに対して、保護者は適切なフォローをしてあげたいものです。保護者はお子さまの成長を促す気持ちで、お子さまのけんかに関わるようにしましょう。けんかを通じてお子さまも大きくなっていくはずですよ。