内閣府の2016(平成28)年度「国民生活に関する世論調査」で、国民の約7割が現在の生活に満足しているという結果が出ました。その中でも、満足度が特に高いのが「18〜29歳」の若者層です。調査結果からは「幸福な若者」ともいえる姿が浮かび上がってきます。しかし現在の若者たちは、本当にそれほど幸福なのでしょうか。

他世代に比べて高い幸福感

調査は2016(平成28)年6〜7月、18歳以上の1万人を対象に実施し、うち6,281人(62.8%)から回答を得ました。現在の生活に対する満足度を尋ねたところ、「満足している」という割合は10.7%、「まあ満足している」は59.4%で、合計すると国民の70.1%が現在の生活に満足しているということになります。

「満足している」の割合を年齢別に見ると、「18〜29歳」が20.6%、30代が12.6%、40代と50代が各7.9%、60代が9.6%、70代以上が11.4%で、特に若者層の満足感が高いことがわかります。さらに「まあ満足している」を加えると、他の世代は6〜7割台なのに対して、若者層は83.7%と唯一8割台に上っています。

現在の生活に対する充実感を聞いたところ、「十分充実感を感じている」と回答した者の割合は、若者層が21.3%、30代が17.2%、40代が10.0%、50代が9.3%、60代が10.7%、70代以上が10.9%で、やはり若者層が高くなっています。さらに生活レベルの程度で「中の上」と答えたのは、若者層が17.3%、30代が14.0%、40代が13.2%、50代が13.6%、60代が9.4%、70代以上が11.4%で、自分の生活レベルを「中の中」以上と認識している若者層は78.4%に上る計算です。これに対して「中の中」以上と認識している他の世代はいずれも7割前後でした。

これらの結果から、日本の若者は日常生活に対して非常に高い幸福感を抱いていることがうかがえます。

5年前と比べても伸び大きく

ただ、若者の幸福感が高いというのは、過去の調査でも同様の傾向が出ています。そこで、5年前の2011(平成23)年度調査と比べてみましょう。現在の生活の満足度で「満足している」と回答したのは、若者層が12.9%、30代が13.6%、40代が6.4%、50代が7.6%、60代が9.4%、70代以上が12.8%でした。先の2016(平成28)年度調査と比較すると、単純に比較はできないが、他の世代に比べて若者層の伸びが大きいことがわかります。これは他の項目でもほぼ同じような結果となっています。

一方、日常生活で悩みや不安を感じているという者の割合は、若者層で2011(平成23)年度は63.4%だったものが16(同28)年度は53.5%に減少する一方、30代は11(同23)年度が62.9%、16(同28)年度が64.7%、60代は11(同23)年度が67.1%、16(同28)年度が68.1%、70代以上は11(同23)年度が60.8%、16(同28)年度が63.7%と増えています。40代と50代は悩みや不安を持つ者の割合は減っていますが、若者層ほど大きく減少してはいません。
これらのことから、過去5年間で見ると、幸福感が増す若者層に対して、不安や不満が募る60代以上……という対比ができそうです。

いずれにせよ、バブル経済の崩壊、リーマンショック後の世界同時不況という時代の中で成長してきた現在の若者は、高い幸福感を持っており、しかも年々幸福感が高まっているということになります。その幸福感の中身を知ることが、現在の若者を知る手掛かりになるかもしれません。

※国民生活に関する世論調査
http://survey.gov-online.go.jp/h28/h28-life/index.html

(筆者:斎藤剛史)