「クソッ」「あ〜ん、何で〜」という大きすぎる独り言、ボールペンをカチカチ、机をガーン!と必要以上に大きな音を出す。そんな迷惑上司に苦痛を感じている人が、Yomiuri Onlineの人気コーナー「発言小町」に相談を寄せました。トピ主は「おかしくなりそうです」とまで苦痛を感じているといいます。

トピ主が詳細に記した上司の態度を読むと、追い詰められるのも納得です。上司は「クソッ、しまった!」「うそやろ〜」などと大声で独り言をつぶやき、「あ〜ん、何で〜」と大きなため息をつくそう。マウスは、机にガツガツぶつけるように動かし、紙パックの飲み物は「ストローでズズズズと何度も何度もすする(1日3本ほど飲み干します)」。そして「机の引き出しをガーン!と閉める。」などなど、挙げればきりがありません。

こっそり片方の耳に耳栓をして誤魔化しているそうですが、耳栓を外さざるを得ない場合もあるとのこと。イヤホンはできない職場だといいます。レスには同様に「私の職場にもいます。人並み外れた大きな声でパソコンか書類に向かい延々と話してる男性が」として「ノイローゼになりそう」という方など、複数の被害体験が並びました。

このように仕事に支障が出る場合には、禁止されている耳栓やイヤホンを装着して仕事をしてもいいのでしょうか。職場で耳栓やイヤホンの装着が禁止されている場合、会社に対して何らかの要求ができるのでしょうか。河野祥多弁護士に聞きました。

(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部と弁護士ドットコムライフ編集部が再構成したものです。トピ「職場の音が気にならなくなる方法」はこちら

(http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2016/1107/784045.htm?g=15)

 ●「快適な職場環境」を実現する義務がある

労働者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に義務を果たさなければなりません(労働契約法3条4項参照)。したがって、就業規則などで耳栓などの使用が禁止されている場合は、そのルールに従う必要があります。

就業規則などに禁止規定が無くても、例えば、電話応対や、頻繁に社内での会話が必要な業務を行なっている場合には、勤務時間中に耳栓などをしていては業務を十分に遂行できない可能性もあるため、事業者は従業員に耳栓などをやめさせることができます。

一方で、事業者には快適な職場環境を実現する義務もあります(労働安全衛生法3条参照)。仮に、労働者が発する音が、仕事に支障が出るほどうるさい場合、事業者は、音を発生させている人に対して注意するなどの防止措置をとる必要があります。

今回のケースについては、身近な他の上司などに相談をしてみた上で、まずは個人を特定しない形で、一般的な注意喚起をしてもらうことが、1つの方法として考えられます。

現場の事情や音への感じ方は様々です。特に、自分が出す音に関しては無自覚となりがちで、騒音トラブルの解決は困難な場合が多いのが実情です。

個々のケースに応じて、労働者と事業者が十分に話し合いをしながら、社員全員がそれぞれ相手の立場に立ち、譲りあう気持ちを持って、一緒に快適な環境を作っていくという姿勢が大切です。

【取材協力弁護士】
河野 祥多(こうの・しょうた)弁護士
2007年に茅場町にて事務所を設立以来、個人の方の相談を受けると同時に、従業員100人以下の中小企業法務に力を入れている。最近は、ビザに関する相談も多い。土日相談、深夜相談も可能で、敷居の低い法律事務所をめざしている。
事務所名:むくの木法律事務所
事務所URL:http://www.mukunoki.info/