日本弁護士連合会日弁連)は10月7日、福井市で人権擁護大会を開き、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」の案を、参加した弁護士の賛成多数で可決した。組織として初めて、死刑制度廃止の方針を明確に打ち出した。

票数は出席786人中、賛成546、反対96、棄権144だった。

宣言は、死刑判決を受け拘束されていた袴田巌さんが、2014年に約48年ぶりに釈放されたことをあげ、「死刑判決を下すか否かを人が判断する以上、えん罪による処刑を避けることができない」「えん罪により死刑となり、執行されてしまえば、二度と取り返しがつかない」と死刑廃止を訴えた。

具体的には、「日本において国連犯罪防止刑事司法会議が開催される2020年までに死刑制度の廃止」を目指すべきであるとし、死刑の代替刑として、仮釈放がない終身刑制度や、仮釈放を認める場合であっても、開始時期を現在の10年から、20年〜25年程度に伸ばす「重無期刑制度」の導入などを提案した。

宣言が採択される前に、出席した弁護士からの意見表明の時間があり、犯罪被害者の支援に関わる弁護士を中心に、宣言に反対する意見が噴出した。

被害者支援に携わる東京都の男性弁護士は「(こうした宣言を出す日弁連から)私は脱退したい。しかし、強制加入団体だから脱退したら弁護士活動を続けていくことはできない。そのような団体がこうした決議をやることはおかしい」と語気を強め訴えた。

また、大会前日の10月6日に行われたシンポジウムでは、瀬戸内寂聴さんのビデオレターが公開され、その中で、「殺したがるばかどもと戦ってください」と表現していた。このことについて、「(犯人の死刑を望む)被害者遺族の前でこうした映像を流すことが信じられない」との声も上がった。

日弁連側は、「瀬戸内さん特有の思い切りの良いメッセージだと考え、そのまま採用することにした」としつつ、「配慮がなかったとしたらお詫び申し上げる」と述べた。

(弁護士ドットコムニュース)