東海道新幹線のぞみの車内で9月下旬、体長約30センチほどのヘビが座席に巻きついているのを乗客が発見し、JRが警察に通報した。臨時停車した浜松駅(浜松市)で、ヘビは警察官に捕獲された。

報道によると、12号車の中央付近の座席に座ろうとした女性の乗客が、座席のひじ掛けに巻きついているヘビを発見。専門家が調べたところ、模様や頭部の形状から、国内に生息するシマヘビの子どもではないかと推測されている。

幸い、ヘビに噛まれるなど被害はなかった。捕獲後、新幹線の車内放送で持ち主を呼びかけたが、名乗り出る人はいなかったという。

当時、真相は不明とされていたが、もし、ペットとして飼っていたヘビを持ち込んで、うっかり逃げられてしまい、今回のような事態になってしまった場合、飼い主の責任はどうなるのだろうか。岡田一毅弁護士に聞いた。

●民事、刑事上のリスクがある

「鉄道各社の営業規則によれば、車内へ補助犬、盲導犬、少数の小鳥や魚介類で容器にいれたもの等以外の動物の持ち込みは、鉄道会社の承諾がない限り、原則禁じられています。

JR東海の規則を見てみると、社内への持ち込みが認められている生き物は、『小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物』とあり、カッコ書きで『猛獣やへびの類を除く』とあります。

したがって、無断で新幹線の車内にヘビを持ち込むことは、JR東海の営業規則に違反した持ち込みとなります。

そのため、持ち込んだことによって、列車が遅延したり、乗客に怪我をさせたりした場合は、損害賠償を支払う義務が生じることになります」

刑事責任が生じる可能性はあるのか。

「意図的に持ち込みをした場合、鉄道の安全な運行を妨げたとして、業務妨害罪に問われる可能性があります。

持ち込まれた動物に噛まれるなどして、乗客乗員が怪我してしまったような場合、重過失致傷罪として処罰される可能性もあります。

このように、さまざまなリスクをはらんだ行為といえるので、ヘビの持ち込みはするべきではないといえるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
岡田 一毅(おかだ・かずき)弁護士
2013年度京都弁護士会副会長。交通事故などの交通法務に詳しく、大手損保会社の顧問弁護士も務める。医療法人の顧問弁護士など、医事法務についても手がけている。大の鉄道好き。
事務所名:赤井・岡田法律事務所
事務所URL:http://www.akai-okadalaw.com/