バイクやクルマは自賠責保険に加入する際に、契約期間を選択することができます。契約期間が長いほど割安になりますが、バイクを手放してしまった際には、自賠責保険の残りの契約期間に応じた保険料を返還してもらうことはできるのでしょうか?
自賠責保険に払い戻しの制度はある?
自賠責保険は、バイクやクルマなどの車体一台ごとに加入が義務付けられている保険です。
バイクの自賠責保険料は排気量と契約期間によって異なり、2023年度現在の料金は126ccから250ccが1年契約で7100円、2年契約で8920円、3年契約で1万710円となっています。そのため3年契約の場合、1年あたりの保険料は3570円と非常に割安となっており、長期間で契約した方がお得であることがわかります。
しかし、バイクを手放すタイミングを事前に予想することはできません。では、契約期間の途中でバイクを手放した場合、保険料を払い戻してもらうことは可能なのでしょうか。
東京海上日動の担当者は、次のように話します。「自賠責保険の期間が1か月以上残っていれば、払い戻しをすることが可能です。ただし、払い戻しをする場合は、バイクの廃車手続きが必要になります」
自賠責保険は、交通事故の被害者を救済するために、公道を走る事のできる全ての自動車への加入が義務付けられています。そのためバイクを手放したとしても、廃車の手続きが行われていない場合は保険料を返還してもらえません。
また、廃車手続きをして、公道を走る車両としての登録を抹消すると公道を走れなくなるため、登録が抹消されたバイクを移動させる場合はトラックなどに積む必要がある点には注意してください。
実際に売却した場合、保険料は返ってくるのか?
それでは実際にバイクを手放した際に、具体的にはどのような条件で保険料が返ってくるのでしょうか?
バイクを手放す際は、排気量やバイクの行先で保険料が払い戻されるかどうかが決まります。250㏄以下のバイクの場合やバイクを廃車にする場合は、保険料を払い戻すことが可能。ただし自賠責保険の保険料には、保険金の支払いに充てられる分だけでなく、手数料などの諸経費も含まれているため、返金額は諸経費を差し引いた金額となるので、さほど多くはありません。
一方で251㏄以上のバイクの場合、自賠責保険は車検とセットになっています。そのため、廃車にするのではなく買い取った店舗が中古車として販売する場合は、残った自賠責保険は加入した状態のままで販売する事が多いため、自賠責保険の払い戻しは受けられません。
とはいっても、長く支払った自賠責保険料分損をするという訳ではなく、販売店によっては自賠責保険の残りの分を査定額に上乗せしてくれる場合も多々あります。なぜなら自賠責保険が残っている状態で販売すれば、次の所有者はその自賠責保険が切れるまで保険料を払う必要がなくなるため、車体を売りやすくなるので、自賠責保険が残っていることは販売店にとってメリットになり得るからです。
もちろん自賠責保険が短い期間しか残っていない場合、車体が売れる前に切れてしまうことも十分考えられるため、査定額に上乗せしてもらうことは難しくなります。中古車販売店に愛車を売却する場合は、査定の際に担当者に確認してみると良いでしょう。