昨年7月、韓国の地方都市・天安市で、14歳の女子中学生Aさんが、地元の不良グループの中学生19人に集団暴行されるという事件が起きた。

 このグループは主に中学2〜3年生のメンバーで構成され、彼らはメンバーの家や、アパートの階段でAさんを複数回にわたり性的な暴行を加えた。そのうちの何人かは、性行為の様子をスマートフォンに収め、SNSにアップしていた。

 事件を知った警察は、集団暴行と撮影に加担した10人のメンバーを逮捕。12月に身柄を裁判所に引き渡した。裁判では、加害者の親とAさんの親が示談したという書類が提出されたものの、裁判所は真偽が疑わしいとしてこれを退けた。というのも、Aさんは父親に虐待されていたという事実が明らかになり、母親も知的障害があるためAさんを保護するには妥当ではないという裁判所側の判断があったためだ。

 仮に文書を偽造、もしくはAさんの心情を無視したかたちで示談していたとしたら、暴行事件を犯した中学生たちだけではく、その親たちやAさんの親も許されない行為をしている。想像すればするほど救われない話である。ただ今回、事件を犯した中学生たちにはそれ相応の厳罰が下された。グループメンバーには、最大で懲役6年の実刑が言い渡されたのだ。

 韓国では殺人や凶悪犯罪を起こした18歳未満の少年たちは、最大2年間にわたり少年院に収監されるのが常識となってきた。また、それより軽い犯罪に対しては、保護者に引き渡されるケースが多い。また、10歳以上14歳未満の少年が犯罪を起こした場合、“触法少年”という定義で括られ、少年法により“保護処分”となり、刑事罰は免れる。2011年に、これとよく似たような集団暴行事件が起きた際にも、16人の少年たちが保護処分となり実刑を免れた。そんな、少年犯罪に甘いとされてきた韓国で、今回の実刑は異例の判決だ。

 韓国では、少年犯罪に対して厳罰を求める声が高まっている。今回の事件についても、インターネット上では「久しぶりに裁判らしい裁判になった」「身元を公開してデジタルタトゥーを刻んでやれ」「むしろ、この判決が“異例”ということが問題」「示談したとかいう親も捕まえろ」など判決を支持し、少女を憐れむ声が圧倒的に多い。

 韓国ではここ数年、凶悪な少年犯罪が増えており、「怖い10代たち」という言葉が流行語のようになっている。果たして、今回の判決を契機として、少年犯罪に対する厳罰化が進むだろうか。
(取材・文=河鐘基)