スマートフォン(スマホ)向けゲームアプリ「ポケモンGO」が世界的なブームを巻き起こし、子どもたちだけではなく、大人までもが夜の公園に大勢集まるという“奇妙な状況”をつくり出している。任天堂が8日に発表した米アップル製iPhone向けアプリ「スーパーマリオラン」に対しても、早くも同様のブームになるのではないかとの声が上がっている。

 ブームが起これば必ず出てくるのが「課金問題」だ。そこで、国民生活センターが7月12日に内閣府消費者委員会に提出した「オンラインゲームに関する消費生活相談」という資料から、現状を紐解いてみたい。

●減らない未成年者の高額購入

 同資料によると、同センターへのオンラインゲーム関連の年度別相談件数は、2013年の5930件をピークに減少過程にある。ただ、「比較的年齢層の低い未成年が親などの大人のクレジットカードを黙ってオンラインゲームの支払に使い続けてしまった結果、高額請求となったという相談等が12年度以降増加している」という。

 これを反映したように、契約当事者の未成年者の割合は13年度の41.2%をピークに翌14年度は40.5%、15年度は34.2%と高止まりしている。契約当事者の性別・年齢別では、女性と男性の比率が女性1に対し、男性が2.7となっている。年代別では、女性は30代と40代が多く、特に40代の主婦からの相談件数が多いのが特徴となっている。一方、男性は圧倒的に10代が多く、次いで30代、20代の順となっている。

 契約当事者が未成年の場合の内訳を見ると、総件数8059件のうち学生が7320件、このうち小学生が2514件、中学生が2797件と小中学生で66%を占めている。では、平均契約購入金額はどうなっているかといえば、以下のように成年の場合には上下動がある一方で、未成年は一貫して増加し続けており、成人と同額やそれ以上の購入額となっている。

<平均契約購入金額の変化>(単位:万円)

※左から、年齢層:09年度、10年度、11年度、12年度、13年度、14年度、15年度

・成年:13.1、11.8、16.6、22.1、18.6、18.2、33.0
・未成年:7.2、12.7、14.8、21.5、21.8、25.3、32.5

●高額になるに従って購入者が増加

 この購入額を詳細に見てみると、成年の場合には比較的に価格帯のバラツキなく購入されているが、未成年の場合には、高額になるに従って購入者が増加している。その上、100万円未満でも未成年が成年を上回っている。

<購入額の内訳>

※左から、年齢層:〜1万円、〜5万円、〜10万円、〜50万円、〜100万円 
・成年:25%、22.3%、12.3%、24.1%、5.0%   
・未成年:6.6%、17.5%、18%、43.8%、9.5%

 購入額の支払手段としては、契約当事者が未成年のケースでは、クレジットカード払いなどのいわゆる「販売信用」が全体の約7割を占めている。一方で成年のケースでは、プリペイドカード払いや携帯電話の通信料等と一緒に払うキャリア課金などが多い。未成年がクレジットカードを持っているとは考えづらいため、支払いに使われるクレジットカードは、親や親族のものと考えるのが順当だろう。

 さて、年度別相談件数の16年度は4−6月で748件となっている。日本でポケモンGOがリリースされたのが7月22日という点を考えれば、この相談件数の中には、ポケモンGOの分が含まれていない可能性が高い。爆発的なブームになっているポケモンGOは「課金問題」というゲーム業界の“トラウマ”を果たしてクリアすることができるだろうか。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)