トラックやバスなど商用車の自動運転技術の開発が広がっている。独ダイムラーは22日にドイツ・ハノーバーで開幕した世界最大の商用車ショー「IAA国際モーターショー」に、自動運転技術を搭載した次世代バスを出展。トラック業界でも開発が加速しており、人やモノの輸送の効率化が期待される。

 「自動運転バスは運転手の負担を軽減し、乗客に快適で安全な市内交通を提供できる」

 ダイムラーのバス部門責任者のハルトムート・シック氏はこう語る。IAA国際モーターショーに出展した自動運転技術「シティパイロット」搭載の次世代バスは、10個以上の車載カメラやレーダーが車線や路面の状態を検知。GPS(衛星利用測位システム)情報と組み合わせ、車線に沿って走行し、停留所では「縁石から数センチのところに止まる」(同社)。

 歩行者を検知すれば自動でブレーキをかけ、信号機と通信することで交差点の通過も可能にした。オランダ・アムステルダムで7月に公開した実証実験では、市街地のバス専用レーンをハンドル操作や加減速なしで20キロ走っている。

 同社は「効率的で、滑らかな運転を実現することで、燃費やCO2(二酸化炭素)排出量が低減する」とアピールする。2020年までに総額2億ユーロ(約224億円)を投資し、開発を進める方針だ。

 自動運転技術はトラックでも開発が進んでいる。今年4月には欧州で複数のトラックが通信しながら隊列を組み、高速道路などを自動運転する大規模実験を実施。ダイムラーやボルボ・トラック、フォルクスワーゲン(VW)グループのスカニアなど6社が参加したという。

 日本でも、いすゞ自動車と日野自動車が5月に自動運転技術の共同開発で合意。信号など道路インフラとの通信システムや、運転支援技術といった基礎技術の開発を進めている。(ドイツ・ハノーバー 会田聡)