経済産業省は13日、世耕弘成経産相が14〜17日にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国を訪問し、ムハンマド皇太子らと会談すると明らかにした。日本が自主開発する“日の丸油田”の2割以上を占める巨大権益が2018年3月で期限切れになるのを控え、更新を働きかける。産業振興などでの協力をアピールし、欧米の資源メジャーに対抗する。

 世耕氏は、アブダビの内政を仕切る皇太子に加え、エネルギーや環境分野などを担当する複数の閣僚と会談する。皇太子の発案で開かれる再生可能エネルギーや環境技術の世界最大規模の展示会にも参加する。

 UAEは日本にとってサウジアラビアに次ぐ2番目の原油供給国。近年は原油輸出に依存しない経済成長の実現を目指しており、世耕氏は現地の産業多角化や人材育成、医療技術などの協力を協議する見込みだ。

 一方、懸案となるのは日の丸油田の約4割を占める複数の海上油田群で、国際石油開発帝石(INPEX)グループなどが権益を持つ。期限が切れるのは、このうち約6割に相当する1970年代に権益を取得した油田群で、生産量は日量20万バレル程度と日本の原油輸入量の約5%に上る。

 更新に失敗すれば、日本は日の丸油田の4分の1を一気に失う。政府は2030年までに油ガス田の自主開発比率を現在の27%から40%まで高める目標を掲げているが、「アブダビでの更新に失敗すれば致命的」(経産省幹部)という。

 権益更新の交渉は今年前半から本格化する見込み。政府は「エネルギー以外の分野も含めた日本の協力はアブダビ側から評価を受けている」(同)と期待するが、更新を機に参入を図る欧米の資源メジャーや、中国、韓国などの新興国企業と激しい競合になりそうだ。