東京商工リサーチが13日発表した2016年の全国企業倒産集計(負債額1000万円以上)によると、件数は前年比4.15%減の8446件と8年連続で減少となり、1990年(6468件)以来26年ぶりの低水準だった。景気の緩やかな回復基調が続いていることや、金融機関が中小企業の返済計画見直し要請に柔軟に対応していることが寄与した。

 負債総額は5.03%減の2兆61億1900万円で2年ぶりに減少した。製造業で戦後最大となった負債額5000億円のパナソニックプラズマディスプレイの大型倒産はあったが、2年ぶりに上場企業の倒産がなかったことなどが貢献した。

 産業別では10産業のうち、建設業や運輸業など6産業で、倒産件数が過去20年間で最少となった。

 業種別では、食品業や広告関連業などは減少したが、人手不足による人件費増に悩む老人福祉・介護事業や飲食業などでは増加した。

 倒産の原因では、景気回復期に増加する「事業上の失敗」が4年ぶり、「設備投資過大」が2年ぶりにそれぞれ増加したが、全体の8割強は「販売不振」などの不況型倒産。松永伸也情報部部長は「明るい兆しもみえているが、依然として不況型倒産も続いている」と分析した。

 地区別では東北が3年ぶりの増加。東日本大震災から6年弱が経過し、復興需要や公共事業の前倒しが一巡した可能性があるとみている。

 今後の見通しについて、松永氏は「米国のトランプ新政権や欧州の政治リスクなど先行き不透明感もあり、中小・零細企業の業績回復には時間が必要」と分析した。