東京電力ホールディングスが2016年度内に改定する再建計画「新総合特別事業計画(新総特)」で、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働時期を最短で2年後と想定して収支見通しを示す方向で検討していることが13日、分かった。再稼働で見込める財務体質の大幅な改善を明示し、取引先金融機関などに再建の道筋を説明したい考えだが、昨年10月に就任した米山隆一同県知事は再稼働に慎重な姿勢を堅持しており、実現には高いハードルがある。

 東電は13年9月、柏崎刈羽6、7号機の新規制基準に基づく適合審査を原子力規制委員会に申請。東電によると、「重大事故への対処」や「地震・津波への対応」に沿った39項目の審査項目のうち36項目は審査が済んでおり、耐震設計や耐津波設計など3項目を残すのみとなっている。審査の進行状況から、2年後ぐらいには再稼働に向けた手続きが終わると仮定して試算する。

 ただ、米山知事は「(福島事故原因などの)検証には3〜4年かかる」としており、米山知事が自身の任期中に再稼働を容認するかは不透明だ。そのため、再稼働に2年以上かかることを想定した別の試算も併せて示す。

 一方、東電が月内にも公表予定の新総特の骨子案には再稼働時期を盛り込まない方針。

 昨年末、経済産業省の有識者委員会は福島第1原発事故の対応費用総額が22兆円に上るとする試算を公表。東電はそのうち廃炉や賠償費用など16兆円を自前で賄うことになった。経産省の試算では柏崎刈羽の再稼働は年間1000億円の収支改善効果を見込んでおり、年間4000億〜5000億円程度を事故対応費用として払い続ける東電にとっては、柏崎刈羽の早期再稼働が再建策の柱になるとみられている。