タイは急速に進む高齢化をビジネスチャンスと捉えるべきだとの見方を米系調査会社ニールセン・タイランドが示した。メーカーや小売業者、サービス提供者にとって、高齢者のニーズに見合った商品やサービスを提供することで商機が広がると指摘している。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。

 国連の調査によると、タイは65歳以上の高齢者数が向こう15年で倍増すると予測される。2030年には高齢者の割合が人口の19%に達するとされるなか、同社は、高齢者の購買力は市場に大きな影響を与えるとみている。

 同社の社長は「多くの商品やサービスは、高齢者をターゲットにしておらず、高齢者の需要に見合っていない」と指摘する。

 なかでも小売り分野では、商品のラベル表示を見やすくするためにより大きな文字を使うことや、店舗内の商品陳列については高齢者が必要とする商品を1カ所に集めて買い物をしやすくするといったサービスなどにより差別化を図ることで、顧客増につながるとみられる。小売り店舗での購入者における高齢者の割合は現在61%とされ、拡大傾向にある。

 さらに、高齢者が求めている商品やサービスとして、小分けされた少量の食品パックや特定の栄養を満たす食品をはじめ、店舗での電動ショッピングカート、購入した品物を店舗から車に運ぶサービス、レストランなど飲食店での読みやすいメニュー表示などを同社長は具体策として挙げた。

 また、同国では高齢者のインターネット利用率も増加している。15年時点でのネット利用者全体における高齢者の割合は9%となり、10年の5%から拡大した。

 同社長によると、高齢者は栄養関連商品をネット購入する傾向があるとされることから、高齢者向け配達サービスの充実などもニーズになるとみられている。(シンガポール支局)