小宮山洋子厚生労働相インタビュー−地域包括ケア構築、被災地で先取り
小宮山洋子厚生労働相は23日、キャリアブレインのインタビューに応じ、社会保障と税の一体改革の大綱素案に掲げている「地域包括ケアシステムの構築」について、「高齢化している被災地で先取りする形で取り組んでいきたい」と述べた。
小宮山厚労相は、地域ごとの地域包括ケアシステムの構築が医療提供体制の見直しの目玉になると強調。医療提供体制の見直しに関する法案について、「(24日召集の通常国会に)なるべく提出できるように準備を進めている」と述べた。
主なやりとりは次の通り。
―社会保障と税の一体改革の中で、医療従事者にアピールしたいのはどの部分か。
診療報酬。昨年末、財務省が「本体カットか据え置きか」と言っているところを、ネット(全体)で髪の毛一本分だが0.004%プラスにできた。2010年度の改定で、医師の少ない産科や小児科などの診療科に手厚く(財源を配分)した結果、医師数は増えているが、ここでまた引き下げたら、偏在をなくせない。改定率をめぐる年末のバトルの中で、財務省にはそう説明した。
診療報酬の中身をどうするかは、これからご議論いただくところだが、今までのように、診療科・地域間の偏在や、病院勤務医の勤務環境を正していきたい。また一体改革の一環として、在宅医療・介護のそれぞれの機能や、これまで足りなかった連携を強化したいと考えている。
―CBニュースの読者からは、医師偏在の解消法についての質問が多かったが、どのような施策を考えているか。
国としては、例えば、その地域の税金から援助を受けた医学生らが、地域に残って還元することなどが考えられる。偏在解消のために都道府県の持つ権限を強めるかどうかは、これから地方とも協議をしていかなければならないと思う。
―読者からは、医師偏在の解消には診療報酬だけでなく、子育てなどの生活面のサポートも必要ではないかという意見があった。
女性医師が多い小児科や産科は特に、ワークライフバランスがうまくいかないと、働き続けようと思ってもできない。全体的な目配りが必要だと思っている。
―医学部の新設や既存の医学部の定員増についてはどうか。
政権を取る前から、民主党は医療人材の増員を掲げており、徐々に増やしているところではある。今後の増やし方については、地域や専門家から意見などを聞きながら、文部科学省と連携して考えていかなければならない。
―病院の数が少ない地域などでは、一体改革の大綱素案の掲げる「病院・病床機能の分化・強化」が実現できないのではないかという声も読者からあった。
それぞれの地域の中で、ニーズにしっかりと合った体制が取れるように考えていかなければならないと思っている。こちらだけで旗を振っても、なかなかうまくはいかない。
住み慣れた地域で医療も介護も予防も受けられるようにする地域包括ケアシステムの構築を今回の医療提供体制の柱にしたい。高齢化が進んでいる被災地で先取りして取り組んでいきたい。
―社会保障と税の一体改革の中で、介護従事者にアピールしたいのはどの部分か。
介護職員処遇改善交付金で対応していた1万5000円分を報酬の中に組み込んで恒久化したことが一つの成果だ。介護報酬をもっと上げて上積みしたかったが、現在は処遇改善交付金と、ほかと合わせて2万4000円分くらいしか上がっていないと思うので、(民主党が09年衆院選のマニフェストで)約束した4万円アップに向け努力していきたい。
―消費増税による「損税」の負担増の解消についてはどうか。
特に医療関係者からは、医療への課税と、消費税負担を緩和する手当ての両面から意見を頂いている。諸外国でも医療は非課税なので、課税はなかなか難しい。消費税が上がった場合の負担増の解消については4月以降、なるべく早く中央社会保険医療協議会の中に検証する場を持って、関係者の意見もよく伺いながら検討していきたい。
―介護事業所の損税は、介護報酬で対応するのか。
それはこれから詰めていくということだと思う。
―消費税を8%にする14年4月までには手当てをするのか。
そういうことになる。14年までまだ2年ある。その間に検討したい。検討に2年かかるかは分からないが。
―医療提供体制の法案は通常国会に提出するのか。
なるべく提出できるように、今準備を進めているところだが、成立がどういうふうになるのかは、国会の情勢によっていろいろあるかと思う。
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小宮山厚労相は、地域ごとの地域包括ケアシステムの構築が医療提供体制の見直しの目玉になると強調。医療提供体制の見直しに関する法案について、「(24日召集の通常国会に)なるべく提出できるように準備を進めている」と述べた。
主なやりとりは次の通り。
―社会保障と税の一体改革の中で、医療従事者にアピールしたいのはどの部分か。
診療報酬。昨年末、財務省が「本体カットか据え置きか」と言っているところを、ネット(全体)で髪の毛一本分だが0.004%プラスにできた。2010年度の改定で、医師の少ない産科や小児科などの診療科に手厚く(財源を配分)した結果、医師数は増えているが、ここでまた引き下げたら、偏在をなくせない。改定率をめぐる年末のバトルの中で、財務省にはそう説明した。
診療報酬の中身をどうするかは、これからご議論いただくところだが、今までのように、診療科・地域間の偏在や、病院勤務医の勤務環境を正していきたい。また一体改革の一環として、在宅医療・介護のそれぞれの機能や、これまで足りなかった連携を強化したいと考えている。
―CBニュースの読者からは、医師偏在の解消法についての質問が多かったが、どのような施策を考えているか。
国としては、例えば、その地域の税金から援助を受けた医学生らが、地域に残って還元することなどが考えられる。偏在解消のために都道府県の持つ権限を強めるかどうかは、これから地方とも協議をしていかなければならないと思う。
―読者からは、医師偏在の解消には診療報酬だけでなく、子育てなどの生活面のサポートも必要ではないかという意見があった。
女性医師が多い小児科や産科は特に、ワークライフバランスがうまくいかないと、働き続けようと思ってもできない。全体的な目配りが必要だと思っている。
―医学部の新設や既存の医学部の定員増についてはどうか。
政権を取る前から、民主党は医療人材の増員を掲げており、徐々に増やしているところではある。今後の増やし方については、地域や専門家から意見などを聞きながら、文部科学省と連携して考えていかなければならない。
―病院の数が少ない地域などでは、一体改革の大綱素案の掲げる「病院・病床機能の分化・強化」が実現できないのではないかという声も読者からあった。
それぞれの地域の中で、ニーズにしっかりと合った体制が取れるように考えていかなければならないと思っている。こちらだけで旗を振っても、なかなかうまくはいかない。
住み慣れた地域で医療も介護も予防も受けられるようにする地域包括ケアシステムの構築を今回の医療提供体制の柱にしたい。高齢化が進んでいる被災地で先取りして取り組んでいきたい。
―社会保障と税の一体改革の中で、介護従事者にアピールしたいのはどの部分か。
介護職員処遇改善交付金で対応していた1万5000円分を報酬の中に組み込んで恒久化したことが一つの成果だ。介護報酬をもっと上げて上積みしたかったが、現在は処遇改善交付金と、ほかと合わせて2万4000円分くらいしか上がっていないと思うので、(民主党が09年衆院選のマニフェストで)約束した4万円アップに向け努力していきたい。
―消費増税による「損税」の負担増の解消についてはどうか。
特に医療関係者からは、医療への課税と、消費税負担を緩和する手当ての両面から意見を頂いている。諸外国でも医療は非課税なので、課税はなかなか難しい。消費税が上がった場合の負担増の解消については4月以降、なるべく早く中央社会保険医療協議会の中に検証する場を持って、関係者の意見もよく伺いながら検討していきたい。
―介護事業所の損税は、介護報酬で対応するのか。
それはこれから詰めていくということだと思う。
―消費税を8%にする14年4月までには手当てをするのか。
そういうことになる。14年までまだ2年ある。その間に検討したい。検討に2年かかるかは分からないが。
―医療提供体制の法案は通常国会に提出するのか。
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