VR元年と言われる2016。各社独自の熱い展開を意欲的、精力的に発信している中、
いよいよ新たなカテゴリを創造し、独自の文化を築きあげようとする試みが開始されました。

「そうだ、VR(バーチャルリアリティ)。世界初の「VR MANGA」を作ってみよう!」

これは、株式会社ダブルエル代表取締役社長:保手濱彰人の試行錯誤、挑戦の過程を追う、制作ドキュメントである。

■「VR-MANGA」としての表現の検証

「Live2D」のテストデータが形になっていくに従い、徐々に向かう先が判ってきたようです。CGイラストデータで作成したタルるート君、手描き感のある伊代菜ちゃん、それぞれに良さがあるものの、何かが違う、やはり、これはアニメに近く漫画でない、そもそも感動が薄い。伝えたいのはコレじゃない。「漫画」この世界観をどう表現するか、検証が始まりました。
大切なのはユーザーが感じるクオリティへの満足度であるとして、なぜ既存漫画がアニメ化すると違和感があるのか、満足度に違いが出るのか、それは原作と何かしら隔たりがあるからだ。
「原作とアニメの違い」そこで原点に立ち返り「原作そのものを最大に生かす」モノクロでこそ漫画の世界観、原作者の拘り等、あえて視覚情報を制限する事でクオリティを担保できるのでは、結論に達したようです。

そこで出来上がった伊代菜ちゃんのデータがこちらです。
※画像データはキャラペディア記事にて掲載

成る程、コントラストが効果的に反映され、より女の子らしく好印象です。
では早速動かしてみることになりました。

※動画データ:https://youtu.be/8rQsmTJ5yi4

如何でしょうか。違和感少なくパーツ構成されたぎこちなさも無いようです。
何故モノクロを採用したのか、そこにはクオリティ担保とは別の「ある想い」が秘められていました。

「僕は漫画が好きで好きで仕方なくこの事業を始めたくらいですから、他のメディアとの差別化としても勿論ですが、モノクロである事も文化として残しておきたいと結論付けました。」(保手濱彰人)

世界初の「VR-MANGA」として世に出すべく、ブームに乗るのではなく漫画本来の持ち味を生かす。「文化として残しておきたい」マンガをこよなく愛する保手濱社長ならではの想いが伝わりますでしょうか。

またカラーにせずモノクロにすることは、現場で問題になっている過大データを視聴する際に発生するVR酔い。この拘りが問題の軽減に繋がるそうです。記者も某VRで気持ち悪くなった経験もあり、ストレスフリーでシームレスに視聴できる環境はユーザーとして歓迎するところであり、配慮にとても共感します。

ただ創り上げるだけでない、世界初の「VR-MANGA」タルるートREBOOT。
次回「原作を活かす表現検証」Vol.6リポートにご期待下さい。

記事:リアルBOSS(磯崎誠之)